パンやお米、さらには麺類など、日々の食事で頻繁に摂取される主食の代表格である炭水化物ですが、健康に配慮して意識的に控える方も多いのではないでしょうか。しかしながら、炭水化物抜きのダイエットが注目される一方で、実際にはエネルギー源として欠かせないだけでなく、体に必要なミネラルも含まれている重要な栄養素です。
糖質制限や炭水化物の制限を行っている方は、意外にも無意識のうちに炭水化物を摂取していることがありますので、気を付けなければなりません。知らず知らずのうちに買ってはいけない食品を選んでしまうこともあるので、注意が必要です。
・炭水化物の役割
・糖質と炭水化物の違い
・一日の目安量
・意外と知らない炭水化物が多く含まれている商品
・炭水化物に関する豆知識
ダイエットやメタボ、さらには健康面について気になる炭水化物について、わかりやすく整理してみました。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
炭水化物の役割
炭水化物の役割としてよく知られているのは、人間にとって非常に重要なエネルギー源であることや、逆に過剰に摂取すると肥満の原因になるという点です。
炭水化物とは
タンパク質や脂質と並んで、炭水化物は三大栄養素の一つとして、私たちの体にとって欠かせないエネルギー源の一部です。
炭水化物は1グラムあたり4㎉のエネルギーを生成しますが、実際には糖質と食物繊維から構成されています。
特に食物繊維は、人間の消化器官では吸収されない栄養素であり、直接的なエネルギー源にはなりませんが、糖質の吸収を抑える働きを持ち、さらに便秘解消や生活習慣病予防に寄与する効果もあるのです。
炭水化物のなかの糖質
糖質は消化吸収が優れている効率的なエネルギー源です。炭水化物に含まれる糖質は、単糖類、二糖類、多糖類の3種類に分類されます。
単糖類は、糖質の最小構成要素であり、果汁に含まれる果糖や、ガラクトースなどのブドウ糖が該当します。
二糖類は、砂糖に含まれるショ糖、乳製品に含まれる乳糖や麦芽糖などが含まれます。
多糖類はごはんやパン、さらには野菜に含まれるでんぷんやペクチンを指します。
炭水化物のなかの食物繊維
炭水化物に含まれる食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分かれます。
水溶性食物繊維は、腸内環境を整える役割を果たし、コレステロールの吸収を抑える効果があります。
不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収して便通を促す働きを持っています。
また、有害物質を排出する効果があり、糖質の吸収を緩やかにすることで血糖値の急上昇を防ぐ役割も果たしています。
1日の目安摂取量
炭水化物の過剰摂取は、メタボや肥満といった体重増加のイメージを伴います。「ご飯を食べないとパワーが出ない」「電池切れになる」といった声もよく耳にします。
それでは、適正な摂取量はどの程度が望ましいのでしょうか。
1日に必要な炭水化物の量は、年齢や活動量によって異なりますが、一般的には1日の必要エネルギー量の50~65%が推奨されています。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、75歳以上の男性が1日あたりに必要とするエネルギーが1800㎉の場合、900~1170㎉が炭水化物の目安となります。これをグラムに換算すると、225g~227gの炭水化物が適切な摂取量となります。
一方、75歳以上の女性で1日あたりに必要とされるエネルギーが1400㎉の場合、700~900㎉が炭水化物の目安です。これをグラムに計算すると175g~226g程度の炭水化物が適切な摂取量とされます。
ご飯やパンなどの主食の量を適切に保つことで、過剰な摂取を避けることが可能です。3食の主食は、しっかりと適正量を摂取することをおすすめします。
体や脳を働かせるためには、エネルギーが必要不可欠であり、命令信号を正確かつ迅速に伝えるためにも炭水化物が重要です。
意外に炭水化物が入っている飲食品7選
意外にも、飲み物やお菓子などにも炭水化物が含まれています。たまには、裏面の成分表示をチェックしてみるのも良いでしょう。
スポーツドリンク
約5%が炭水化物です。これは500mlのスポーツドリンクに含まれる炭水化物が25.5gであり、大さじ3杯分の砂糖が含まれていることになります。
汗をかいた時や熱中症対策としてスポーツドリンクや経口補水液が奨励されますが、軽度の脱水症状やミネラルが不足していない状態で、水分補給の代わりに飲むことは炭水化物の過剰摂取につながるのでおすすめできません。
エナジードリンク・栄養ドリンク
疲労感を感じた時やパワーを必要とする時に、栄養ドリンクやエナジードリンクを選ぶことが多いかと思います。
種類によっては、ジュースと同程度の炭水化物が含まれていることがあります。特に、大容量のエナジードリンクには炭水化物が多く含まれており、その中の砂糖は大さじ3~5杯分に達することがあります。
果実酢
最近人気が高まっている果実酢製品も多く、リンゴ酢やザクロ酢、ぶどう酢などが販売されています。酸味を和らげたり、風味を整えるために甘味が加えられていることが一般的です。
ダイエット中の方や炭水化物に敏感な方は、飲み過ぎないように適量を心掛けることや、成分表示を確認してから購入することをおすすめします。
野菜ジュース
野菜不足を補う手軽な方法として、野菜ジュースは多くの方に利用されています。特に、なかなか野菜を食べられないお子様や高齢者にとっても良い選択肢です。
ただし、にんじんやカボチャなど、自然の甘みが強い野菜が使われているものが多数あり、炭水化物が含まれていることを理解しておく必要があります。
乳酸菌飲料
健康志向の方は、特に毎日乳酸菌飲料を摂取している方が多いのではないでしょうか。
量が少ない100mlのものが多いですが、毎日の摂取が続くと、ダイエット中の方は控えた方が良いかもしれません。健康に良いからといって毎日何本も飲むことは、控えて量を調整することが重要です。
炭水化物の過剰摂取につながる可能性があるため、半分の量でも砂糖不使用の製品を選択することをおすすめします。
カボチャや芋類
旬の素材であるカボチャやいも類は、主食としても十分な炭水化物を含んでいます。ホクホクとした甘さがあり、糖質が豊富です。
豆知識
白米150gには、55.7gの炭水化物が含まれています。
食パン6枚切りには27.8gの炭水化物。
うどん240gには51.8gの炭水化物が含まれていることがわかります。
ダイエットでの炭水化物
確かに、炭水化物を抜いたり、食事量を減少させることで体重は減少します。
しかし、朝食を抜くことによって頭がぼんやりするのは、脳に必要なエネルギーが不足していることが一因です。ダイエット中でもエネルギーは重要で、3食をしっかりと摂取することは、必ずしも摂取過多にはならないので、ぜひおすすめします。
炭水化物が不足すると、糖質から作られるブドウ糖が脳の唯一のエネルギー源となるため、集中力の低下や判断力の低下、さらにはイライラの原因にもつながるのです。
ダイエット中でも必要な炭水化物を摂取するためには、野菜から先に食べるベジファーストを実践し、さらにビタミンB1を同時に摂取することで、糖質をエネルギーに効率的に変換し、疲労回復の効果も期待できるでしょう。
つい取り過ぎてしまう炭水化物のまとめ
甘いジュースや砂糖入りのコーヒー、さらにはお菓子や洋菓子など、これらにも炭水化物が含まれています。
一つ一つは微々たる炭水化物に思えるかもしれませんが、日常的に無意識に摂取しているものが少しずつ積み重なっているという現実があります。したがって、ダイエット中や食事制限を行っている方は、十分に注意を払うことが重要です。
健康に気を使っている方や食事制限中の方、またダイエットを行っている方は、成分表記を確認しないで購入してはいけない商品が存在します。
健康に良いとされる食品や飲料にも、実は多くの炭水化物が含まれている場合があり、知らず知らずのうちに過剰な炭水化物を摂取してしまうことがあります。健康に配慮しているからといって、むやみに購入してはいけないのです。
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