最近、低脂肪という言葉をよく耳にするようになりました。特に代表的な食品として挙げられるのが牛乳です。牛乳は栄養素が豊富に含まれており、非常に健康的な飲み物ですが、その一方で脂肪分が気になる方も多いのではないでしょうか。低脂肪と聞くと、「栄養素が減っているのではないか?」「味が劣るのでは?」という疑問を持つ方も少なくありません。しかし一方で、「カロリーが少ないので、ダイエットには向いている」という意見もあります。そこで、低脂肪商品について調査を進めると、いくつかのデメリットが存在し、体に良くない影響を与える可能性があることが明らかになりました。今回は、その中でも特に「低脂肪の牛乳」に焦点を当てて詳しく解説していきたいと思います。
脂肪分が低い商品について
低脂肪とは、脂肪の含有量が少ない食品を指します。具体的には、牛乳、ヨーグルト、チーズなど、さまざまな乳製品に多く見られる特徴です。乳製品の主要な原材料は牛乳であり、通常、牛乳はカロリーが高いため、ダイエットをしている方やカロリーを気にする方は、低脂肪の商品を選ぶ傾向があります。
低脂肪牛乳とは
低脂肪牛乳は、生乳から乳脂肪分を取り除いた製品です。 この牛乳に含まれる乳脂肪分は0.5%から1.5%以下であり、無脂乳固形分は8.0%とされています。
低脂肪のデメリット
ここでは、低脂肪牛乳の具体的なデメリットについていくつかご紹介します。
アレルギー体質になりやすい
過剰に摂取するとアレルギーを引き起こすリスクがあります。アレルギーとは、特定の物質に対して体の免疫システムが過剰に反応することで、呼吸困難や蕁麻疹といった症状が現れるものです。牛乳アレルギーの一因は、牛乳に含まれるカゼインというタンパク質です。 特に、低脂肪牛乳にはこのカゼインが多く含まれているため、アレルギーが発症する確率が高まります。アレルギーが発症すると、腹痛や下痢、じんましん、さらにはアナフィラキシー(息苦しさや血圧低下などの全身症状が急に現れること)などの深刻な症状が出ることがあります。
鉄欠乏症、貧血になりやすい
「カルシウムは骨を強くする」「栄養が豊富」というイメージがある牛乳ですが、実際には鉄分はあまり含まれていません。また、牛乳に含まれるカルシウムが鉄と結合することで、腸内での鉄の吸収を妨げることがあります。 乳児や小さなお子さんは特に鉄分が不足しがちであり、安易に牛乳を与えすぎると、こうした健康問題を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
下痢を引き起こしてしまう
牛乳を飲んでお腹を壊す方はいらっしゃいませんか? 牛乳には乳糖という成分が含まれており、これが原因で腹痛や下痢を引き起こすことがあります。この現象を乳糖不耐症と呼びます。 日本人の多くは、乳糖不耐症であると言われています。
乳糖不耐症とは
乳糖不耐症は、牛乳に含まれる糖質である乳糖をグルコースとガラクトースに分解する乳糖分解酵素(ラクターゼ)の活性が低下しているために、乳糖を消化吸収できず、著しい下痢や体重増加不良を引き起こす疾患です。(※1)
肌荒れの原因になる
コーリー・L・ハーマン博士(※2)は、「乳清タンパク質は、乳清から分離されたタンパク質の混合物で、チーズを作る際にミルクから凝固成分を取り除いた後の液体部分です」と説明しています。
さらに、「乳清は、インスリン様成長因子1(IGF-1)などを増加させるため、インスリンの生成を促進します。インスリンは皮脂の生成を増加させ、これがニキビの発生に寄与する要因となります。また、皮脂を刺激し、ニキビの原因となる男性ホルモンのテストステロンの生成を促進することもあります。」と述べています。
タンパク質を過剰に摂取すると、皮脂の分泌が過剰となり、毛穴が詰まってしまうこともあります。
全脂肪乳よりも太りやすい
ある調査によれば、牛乳や乳製品の摂取がメタボリックシンドロームの発症リスクを低下させることが報告されています。その結果、低脂肪牛乳よりも全脂肪牛乳の方がダイエット効果が高いということが示されています。 世界的な医学誌『ブリティッシュメディカルジャーナル(BMJ)』では、「牛乳や乳製品の摂取が糖尿病、高血圧、メタボリックシンドロームのリスクを低下させることが大規模な調査によって確認された」と発表されました。(※3)このことから、意外にも低脂肪乳製品は太りやすいという結果が導き出されました。
低脂肪の向き合い方
これまで低脂肪牛乳のデメリットを紹介してきましたが、実際には低脂肪牛乳は体に与える悪影響が比較的少ないとされています。また、栄養素が豊富であるため、多くの場合において推奨される食品です。1日に摂取する低脂肪牛乳の量は、200mlから300ml程度が適量とされています。 しかし、摂取しすぎることでアレルギーや鉄欠乏症、貧血、乳糖不耐症といった健康上の問題を引き起こす可能性があります。したがって、適切な摂取量を意識しながら、飲む際には注意が必要です。
まとめ
低脂肪牛乳を例に挙げ、さまざまなデメリットについてお話ししました。
- アレルギー体質になりやすい
- 鉄欠乏症、貧血になりやすい
- 下痢を引き起こしてしまう
- 肌荒れの原因になる
- 全脂肪乳よりも太りやすい
これらの危険性を考慮しながら、適切な量を守って摂取していくことが重要です。
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