買ってはいけない珪藻土クロス その理由とは

家を新しく建てる際やリフォームを検討するタイミングにおいて、壁紙であるクロスを選ぶことは家づくりの楽しみの一つです。

部屋の雰囲気やイメージに応じて色や柄を選ぶことが一般的ですが、たとえ一面の壁を変えるだけでも、その部屋の印象や雰囲気は大きく変わることがあります。

そのため、採用後も快適に過ごせるような壁紙選びを心掛けたいものですね。

クロスには種類がある

戸建て住宅やマンションなどで広く使われているビニールクロスは、その普及率はなんと90%に達すると言われています。このタイプのクロスは、一般的にお手入れが簡単で、コストパフォーマンスも非常に良好です。

施工も簡単であり、職人の技術による仕上がりの差が出にくいことも、多くの人々に利用されている理由の一つです。

ビニールクロスはポリ塩化ビニールを素材としており、色や柄が豊富に揃っています。プリント加工や凹凸の加工が容易なため、さまざまなデザインや柄を展開することが可能です。

ただし、デメリットも存在します。

プリント加工が得意な一方で、素材感を表現するのが苦手とも言えます。そこで、クロスの中には素材感を損なわずに凹凸を持った珪藻土クロスという選択肢もあります。

美しい素材感を持つ珪藻土クロスは、非常に人気がありますが、実際にはどのような理由で避けた方が良いのでしょうか。

珪藻土クロスとは

まず、珪藻土について理解しておくことが重要です。珪藻土は吸放湿性能、通気性、調湿性、断熱性能に優れた自然素材です。珪藻土を使用した塗り壁は見た目が美しく、調湿性にも優れた素材ですが、施工には専門の左官職人が必要です。

下塗りや中塗りが必要な場合もあり、その分施工に時間がかかることがあります。また、手間もかかるため、クロスに比べてコストが高くなることが多いです。

そのため、印刷では表現しにくいザラザラとした質感や、珪藻土壁のような仕上がりを実現しつつ、施工が比較的容易な素材が珪藻土クロスです。

珪藻土の粉末と糊を混ぜ合わせ、基材となるシートに塗り付けたものがこのクロスです。施工は一般的なクロスよりも丁寧に行う必要があるものの、通常のクロスを扱う職人によって施工できるため、比較的短い工期で済むのも魅力です。

ただし、性能に関しては、塗り壁に比べて使用する珪藻土の量が少ないため、調湿機能などはあまり期待しない方が良いでしょう。

見た目はマットな質感で、珪藻土風のテイストが得られるため、この仕上がりに対するコストパフォーマンスは良好と言えるでしょう。

とても魅力的な珪藻土クロスですが、使用を避けた方が良い場所も存在します。

珪藻土クロスを使用しない方が良い場所とは?

ずばり、です。

というのも、珪藻土クロスはお手入れが難しい壁紙の一つだからです。表面には凹凸があり、ほこりが付きやすく、水分を吸着する性質があります。

水を吸収するため、汚れを拭き取ることができません。

汚れに気づいた際には、思わず固く絞った雑巾でゴシゴシとこすりたくなることもあるでしょう。しかし、これは避けるべき行為です。

珪藻土は吸水性に優れているため、水を吸い込むとシミ状になってしまいます。

水気の多い場所では、水分がいつどのように飛ぶのか分からないため、トイレや洗面所、キッチンなどの壁は避けた方が良いでしょう。また、表面の凹凸があるため、少し触れるだけでも汚れが付きやすいのです。

頻繁に触れるスイッチ周りや、通行が多い廊下、小さなお子様や動き回るペットがいる場合は、リビングや子供部屋も避けた方が賢明です。

ちなみに、汚れを取りたい場合は、消しゴムで軽くこするか、メラミンスポンジでトントンと叩くと少しは取れますが、やりすぎには注意が必要です。

部分的な補修は難しいため、ある程度汚れが取れたらそれで良しとするのがベターです。

珪藻土クロスは一般的なクロスと同じ幅90㎝であるため、広い面積ではつなぎ合わせる必要があります。珪藻土クロスはあまり柔軟性がないため、ジョイント部分が目立ちやすいという特性も持っています。このことからも、廊下や洗面所は向いていないと言えるでしょう。

珪藻土クロスを採用するおすすめの場所

それでも、珪藻土の風合いが好きで、ぜひ採用したいと思う場合、どこに使用すれば快適に過ごせるでしょうか。

汚れがつきにくく、あまり触れられない場所が理想です。

アクセントカラーを考える壁、天井、玄関の壁、飾り棚の壁、床の間の壁などが良いでしょう。珪藻土の風合いは和室にも非常に合います。

見た目がとても美しい珪藻土クロスは、上質な空間を演出するのに適しています。

適切な場所で良好な状態を保てるのであれば、珪藻土クロスによる上質な空間を存分に楽しむことができるでしょう。

まとめ

珪藻土クロスはビニールクロスと比較すると、本物の珪藻土ほどではないものの、独特の風合いや存在感を持っています。マットな質感で、珪藻土塗り壁に近い仕上がりを実現することが可能です。

ただし、不向きな場所に貼ってしまうと、きれいな状態を保ちにくく、後悔することがあるかもしれません。

家づくりのパートナーであるインテリアコーディネーターや業者の提案には幅がありますが、どの程度まであなたの仕上がりのイメージに合ったものを提案してくれるか、生活が始まった後の手入れや利便性についての情報をどれだけ提供してくれるかは、その担当者次第です。

ですので、自分自身である程度の知識を持つことが非常に重要です。

DIYで行うにしても、自分で選ぶ際に知識を持っている方が満足度も高まりますよね。

人気のある珪藻土クロスですが、その特性を十分に理解し、良い点や弱点を考慮した上で採用することが望ましいでしょう。

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