憧れだけで買ってはいけないレオタード。バレエ教室、通う前によく調べよう!

子供の習い事ランキングで常に高評価を得ている「バレエ教室」。その魅力は見た目の華やかさに加えて、レオタードやバレエグッズの可愛らしさにあり、親としても憧れる気持ちが強まりますね。バレエを通じて姿勢やスタイルが良くなり、礼儀や挨拶に厳しい環境で育つことができるため、子供にぜひ習わせたいと考える親御さんも多いでしょう。

場合によっては、親自身がバレエを経験していて、お子さんも始めるというケースもあるかもしれません。その際には、バレエの裏事情に詳しいため、失敗することは少ないかもしれません。

筆者は、何も知らずに娘にバレエを習わせて「こんなはずでは」と思ったことがたくさんありました。「こんなに大変なら、しっかりと教室のホームページに書いておいてほしい!」とも思いましたが、教室の立場からすれば、そう簡単にはいかないのでしょう。

ただし、もし雰囲気だけで、手軽に近所のバレエ教室に入会しようとしている方は、少し立ち止まって、こちらの情報を参考にしてみてください!

バレエ教室はお金が続かない?

「バレエ教室は『高い』」という噂を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、実際に月謝の額を確認してみると、意外にも「他の習い事とそれほど変わらないじゃない」と安堵することもあるかもしれません。

安心するのは少し待ってください!

バレエには他にも必要な出費が存在しますよ。

レッスン数、週1回では上を目指せない

「他の習い事と変わらない」と感じたその月謝の金額は、たいてい週1回のケースであることが多いです。ほとんどの教室では、週2回以上のレッスンを提供しており、コンクール入賞を目指す場合は週4~5日のレッスンが推奨される場合もあり、中にはそれ以上の頻度を求められる教室もあります。

小さなお子さんの場合、週1回で通わせる親も多いと思いますが、あっという間に小学校に上がり、思った以上に才能があったりすると、将来的には辞めさせるのが難しくなり、毎月数万円の月謝を準備しなければならないことを考慮する必要があります。

バレエ用品は消耗品

バレエに必要なタイツやシューズ、レオタードなどは、将来的に必ず定期的に買い替えが必要な消耗品です。特に子供の場合、シューズは数か月ごとにサイズアウトしてしまうことが多いのです。バレエシューズは1足3000円ほどかかり、トゥシューズ(ポワントと呼ばれる)を履くようになると、さらに倍以上の金額になることが一般的です。

消耗品にかかる費用は、予め計算に入れておきましょう。

発表会でかかる費用

本格的な教室では、発表会に向けてのレッスンが増加し、会場(ホール)の使用料やその他の諸経費も増えることになります。

筆者の子供が通っていたバレエ教室では、グループ演目に出演するだけでも10万円ほどかかりました。それに加えて、衣装のレンタル代が1万円前後かかりました。さらには、指定された数のチケット(数万円分)を購入する必要もありました(上級クラスになるほど購入数が増えます)。

また、後々に先生に渡すお礼や、一緒に出演する仲間への贈り物(教室によってルールは異なります)での出費も考慮しなければなりません。発表会では、個人での写真やビデオ撮影が禁止されており、プロが撮影した写真やビデオを購入するスタイルです。我が家では、厳選したカットのみ注文しましたが、それでも写真代は数千円、DVDは1万円近くかかりました。

出演する演目数が多くなるほど、その分購入する写真も増え、こちらも数万円単位の出費となるでしょう。

本格的な教室の場合、初心者クラスの我が家のケースでも、

1回の発表会で15万円はかかりました。

複数の演目に出演するようになると、その演目数分の出演料と衣装代もかかります。特に、コンクール入賞を目指すお子さんは、ソロ演目にも出るのが当たり前となります。また、パドゥドゥ(ペアでの踊り)を行う場合には、プロのゲストダンサーへの謝礼金も必要になります。

上級者の場合、1回の発表会にかかる費用は20万円~30万円、またはそれ以上になることも十分に考えられます。

コンクールでかかる費用

技術が向上すると、先生からレッスン数を増やすことやクラス変更、コンクールへの参加を提案されることも少なくありません。当初はそんなつもりで始めたわけではなくても、我が子の才能を知れば、厳しい経済状況でも応援したくなるものです。

コンクールに参加する場合には、出演費や衣装代、交通費などがかかります。もちろん、レッスン数も増えるため、費用も上乗せされます。また、遠方のコンクールに参加する際に、先生に同行をお願いする場合は、先生の旅費や心づけも発生することがあります。

1回のコンクールへの参加だけでも、数万円から何十万円という大きな出費がかかることになるのです。

お金だけでなく手間もかかる!暗黙のルール

お金さえあれば全てが解決するわけではなく、

バレエ教室は、他の習い事と同様にサービス業であり、

先生やスタッフが全てをやってくれるのが当たり前という考えは捨てた方が良いでしょう。

バレエなどの芸事の世界は、単なる「子供に踊りを教える」サービスではないのです。

もちろん、教室ごとに方針は異なるため、事前に確認が必要です。

まだ「バレエ母」の存在は強い

習い事を始める際には、子供が小さいうちは親が準備を手伝う必要があります。それは当然のこととして受け入れやすいですよね。

しかし、バレエの世界では、子供が中学生以上になっても母親の出番が多いという現実があります。小さいころのシニヨン(髪を結い、平らにしたおだんごの髪型)は母親の役割です。また、発表会の衣装を調整する際の裁縫技術も求められます。

さらに、「母の会」が存在するバレエ教室もあり、母親同士のつながりが求められることがありますよ。

発表会では、指導や出演に忙しい先生に代わって、控室でメイクや着替えの手伝いをし、全体を取り仕切る役割も担います。そして、筆者が驚いたのは、そこまでの労力をかけているにもかかわらず、母親たちが子供の舞台での姿を見ることができないという事実でした。

えー!そんなことってあり得るの?

はい、十分にあり得ます。子供が舞台で輝く裏には、母親たちの尽力があったのです。それにしても、筆者は学生時代の文化祭のようで楽しい瞬間もあったと感じたこともありました。

もちろん、全ての教室がそうであるわけではありません!教室によっては、「親御さんは、全てお客様として発表会を観に来てください」といったスタンスのバレエ教室もあり、非常に良心的だと感動しました。

先生の存在は絶対

ここまでの内容を見て、薄々感じている方もいるかもしれませんが、バレエ教室では先生の指示が絶対的です。

基本的に良心的なバレエ教室が多いですが、中には厳しい環境の教室も存在することがあります。 「なんだか古臭いな」「効率が悪いな」と感じても、まだ教室に慣れていない段階では軽々しくママ友に話したり、慣れた後も先生に意見することは避けた方が良いでしょう。

場合によっては、「何もわかっていないのに意見してくる親」と見なされ、肩身が狭くなる可能性もありますので。

おかしいと思ったら、意見して居づらくなるよりも、退会して別の教室に移る方が賢明かもしれません。

バレエ教室は沢山あるのですから。

バレエを習うメリットはないの?

これまで、バレエ教室の厳しい面を取り上げてきましたが、それでも習わせて良かったと感じるバレエのメリットや魅力を振り返ってみましょう。

姿勢・スタイルがよくなる

主観的ではありますが、娘は姿勢が非常に良く、日常的に身体を動かしているおかげで太りづらい体質です。バレエを続けている上級生たちを見ても、皆、顔が小さく、スラリとした印象を受けます。

リズム感がつく

クラシック音楽を聴きながらリズムに合わせて体を動かすことは簡単ではありません。曲の中で拍を数え、ぴったりとタイミングを合わせて登場したり、踊りながら立ち位置を変えたりする必要がありますので、非常にチャレンジングです。

筋力がつく

華奢に見えても、バレリーナは非常に筋肉質です。下半身の筋力も強化され、娘はバレエを習っている間は足が速くなった経験があります。

早い内から礼儀を意識するようになる

幼い頃から、挨拶に関しては厳しく指導されます。また、先生だけでなく、発表会やコンクールを支えているスタッフや家族に感謝を伝える場面が多々あるため、感謝の心を育むことができるようです。

【まとめ】目的にあったバレエ教室を探そう

いかがでしたか?バレエ教室は、憧れから始めるのは簡単ですが、続けるためには本人だけでなく親の経済的な支援や労力が欠かせない要素です。

過度に心構えをする必要はありませんが、始める前に事情を知っているのと知らないのとでは、雲泥の差があります。

運動や礼儀を学ぶ要素など、最低限のエッセンスをバレエで身につけたいと考えるのであれば、費用を抑えつつ、保護者の負担も少ない教室を選ぶことが賢明です。思った以上にお子さんがバレエに才能を示すようであれば、後から教室を変えることも可能です。

逆に、バレリーナなどプロの世界の可能性を考えているのであれば、相応の負担を覚悟しつつ、有名なバレリーナを輩出している教室をいくつか見比べて、慎重に選ぶ必要があるでしょう。

我が子にバレエを習わせる目的をよく検討し、憧れのバレエライフを楽しんでくださいね!

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