近年注目を集めている糖質制限ダイエット。
その中には糖質オフの商品や野菜の代替品、さらには麺類やご飯を他の食材に置き換えた商品など、実に多様な選択肢があります。例を挙げれば、数え切れないほどの製品が存在するのです。
おそらく、皆さんも一度はこの糖質制限ダイエットについて耳にしたことがあるのではないでしょうか？
このダイエット法が注目を浴びるようになったのは、2012年から2013年頃だと言われています。
過去に糖質制限を試みたことがあるという人は、全体の約60％に達しています。
さらに、その中でも、実際に体重が減った人の割合は70％という驚くべき結果が報告されています。
そのため、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでは、ダイエットブームに乗じて、糖質オフ食品やサラダチキン、低糖質の商品が豊富に取り扱われており、年々その種類も増加傾向にあります。
糖質制限については、「痩せやすい」や「短期間で痩せることができた」というポジティブな意見が多く聞かれますが、一方で「健康被害が出る可能性がある」という否定的な意見も存在しています。
では、実際に糖質制限ダイエットはどういったもので、どのような影響があるのか、詳しく見ていきましょう。
糖質制限ダイエットとは
まず、糖質制限ダイエットとは何かを具体的に理解しておきましょう。
糖質制限ダイエットとは、主食として一般的に食べられる白米やパンなどの糖質を抑えたり、完全に抜いたりすることで、効果的に体重を減少させることが期待できるダイエット法です。
通常は、菓子やジュースなど、糖分が多く含まれる食品や炭水化物の摂取を制限することが多いです。
減少した糖質のエネルギー分は、脂質やたんぱく質から補うことで、体重が減るという理論に基づいています。
この手軽さが、糖質制限ダイエットの人気の一因と考えられます。
糖質制限の痩せる原理
- 糖質を制限することで、食後の血糖値の上昇が抑制されること
- 糖質を制限することで、体内に蓄積されている中性脂肪がエネルギー源として使用されること
大きく分けて、これらの2つが糖質制限ダイエットの基本的な原理です。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
１つ目は、糖質を制限することによって、食後の血糖値の上昇が抑えられるという点です。
ここで重要なのは、血糖値が何を指すのかというと、血液中のグルコースの濃度を表しています。
私たちは生きていく上で必ず食事を摂りますが、それにはパンやご飯、麺類などの糖質が含まれています。
この糖質は体内で消化され、ブドウ糖（グルコース）に変換され、血液中に入ることでエネルギー源となります。
この血液中のグルコース濃度がいわゆる血糖値です。そのため、健康な人であっても、空腹時と食後では血糖値に大きな差が生じるのです。
食事を摂ることで血液中のブドウ糖が増加すると、すい臓からインスリンが分泌され、その働きによりブドウ糖は筋肉などに運ばれ、エネルギーとして利用されます。
さらに、インスリンには血糖値を調整する役割があり、血糖値が上がるとそれに応じて分泌されるのです。
そのため、食後の血糖値の上昇を抑えることにより、インスリンの分泌も抑制されることになります。
インスリンは、血糖値を下げるために、血液中のブドウ糖を中性脂肪に変換するように働きかけます。
したがって、糖質制限を行うことでインスリンの分泌量が減少し、その結果として太りにくくなるというわけです。
２つ目は、糖質を制限することで、体内に蓄積された中性脂肪がエネルギー源として使われることです。
体内の主なエネルギー源であるブドウ糖が不足した場合、体に蓄えられている中性脂肪が分解され、ブドウ糖に変換されます。
このブドウ糖がエネルギー源として利用されることになります。
その結果、脂肪が減少するということにつながるのです。
健康被害のリスクが？！
糖質制限を行うことによって引き起こされる可能性のある健康被害についても考慮する必要があります。
頭痛、めまい、眠気、イライラ、だるさ、思考力の低下など
前述の通り、糖質は脳にとって非常に重要なエネルギー源となる栄養素です。
これらの症状の原因は、厳格な糖質制限により低血糖症を引き起こしている可能性があるとされています。
さらに、東北大学大学院農学研究科によると、「糖質を抑えた糖質制限食を長期的に続けることで、体の老化を促進し、健康に悪影響を及ぼす恐れがある」との研究結果が発表されています。 (※１)
腹痛や吐き気の症状が出ることも
糖質制限によって食生活が変わり、身体がそれに適応しきれていないことが原因であると考えられます。
糖質が不足した高タンパク質な食事を急に始めると、消化不良や腸内環境の悪化が起こることがあります。
便秘になりやすい傾向も
これは主に食物繊維の摂取不足および水分量の不足が原因です。
糖質を制限する食生活では、主にタンパク質と脂質が中心となりますが、制限される糖質（炭水化物）には食物繊維が含まれています。
さらに、食物繊維は多くの場合、野菜から摂取されますが、食物繊維が豊富な根菜類などは糖質を含んでいるため、避ける傾向にあります。そのため、食物繊維の摂取が不足しがちです。
また、炭水化物は水分を多く含む食品ですが、タンパク質や脂質を重視した食事をすると、摂取する水分量が減少する可能性があります。
このように、糖質制限中は食物繊維や水分が不足しやすく、その結果便秘になりやすくなるということが言えるのです。
まとめ
今回は糖質制限ダイエットとそのリスクについて詳しくご紹介しました。
どのようなダイエットでも、正しい方法で健康的に行うことが最も重要です。
極端な制限をせず、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
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