「とんかつ」や「お好み焼き」、「焼きそば」など、みんなが好む料理に欠かせない存在といえば、「ソース」ではないでしょうか。
各家庭にはそれぞれのお気に入りのソースがありますし、スーパーでよく見かける有名な商品もたくさんあります。私たちの日常生活に常に存在しているソースですが、その種類や特性についてじっくり考えたことはありますか?
実際にスーパーでソースを購入する際には、以下のような商品が並んでいます。
- 「中濃ソース」
- 「ウスターソース」
- 「とんかつ(濃厚)ソース」
これらの違いを理解している人は、意外と少ないのではないでしょうか。

「ウスターソースはちょっとサラサラした感じがするな。」

「中濃ソースはその名の通り真ん中の位置にいるんじゃない?」

「とんかつソースはとにかく濃厚だよね!」
このようなイメージを持っている方も多いと思いますので、今回はそのイメージを一歩深めて「各ソースの特徴やその違い」および「料理ごとの使い分け」について、詳しく解説していきたいと思います。
この記事をしっかりと読めば、あなたに合わないソース、つまり「購入を避けるべきソース」を選んでしまうことはなくなるでしょう。ソースに関する知識を深めて、ぜひ毎日の料理に役立ててください。
「ソース」とは?その定義について
まず初めに「ソース」の定義を確認してみましょう。
以下は、日本農林規格(JAS規格)の公式サイトから引用した「ソースの定義」です。
次に掲げるものであって、茶色又は茶黒色をした液体調味料をいう。
- 野菜若しくは果実の搾汁、煮出汁、ピューレー又はこれらを濃縮したものに砂糖類(砂糖、糖蜜及び糖類をいう。以下同じ。)、食酢、食塩及び香辛料を加えて調製したもの
- 1)にでん粉、調味料等を加えて調製したもの
引用元:www.maff.go.jp › jas › jas_kikaku › attach › pdf › kikaku_itiran2-309
(第2条に記載された定義より)
日本国内で販売されている全てのソースは、JAS規格に基づき「ウスターソース類」というカテゴリーに分類され、さらにそこから「ウスターソース」、「中濃ソース」、「とんかつ(濃厚)ソース」の3つに分けられます。
この3つの分類は、「粘度(ソースの粘り具合や、どの程度ドロッとした状態か)」によって決定されているのです。
ソースの種類と特徴
ここからは、普段私たちが使っているソースにはどのような特徴があり、どのような料理に使うとより美味しさが引き立つのかなどを含めて、少しだけソースに関する知識を深められるように説明していきます。
ウスターソースは、3つのソースの中で「最も粘りが少なく、サラサラとした状態のソース」を指します。
他のソースと比較して、「酸味や香辛料の香りや味が際立っている」傾向があります。
スパイシーな辛味や酸味を生かして、料理のアクセントや隠し味として使用するのが特におすすめです。西日本では、このウスターソースが最も一般的であり、関西のソウルフードである「串カツ」には、このウスターソースを添えていただくのが定番です。
とんかつ(濃厚)ソースは、3つのソースの中で「最も粘りが強く、ドロドロとした状態のソース」を指します。
他のソースと比べて、「野菜や果物の使用量が多いため、甘さを強く感じる」ものが多いです。
そのため、お子様が食べる料理に使ったり、料理に甘さと深みを加えるための調味料として利用するのが特におすすめです。
中濃ソースは、ウスターソースととんかつ(濃厚)ソースの中間に位置付けられ、粘度も2つのソースの間にあります。味についても「とんかつソースの甘さとウスターソースの酸味や辛味の良いところをバランスよく組み合わせて作られている」のが特徴です。
味のバランスが良いため、どんな料理にも合わせやすく、ウスターソースやとんかつソースの代替品としても使えるため、「1本あれば多様な料理に活用できる万能さ」が特に人気を集めています。
日本全国の有名なソースたち
ソースは日本全国の様々な会社が製造・販売しており、その地域や会社によって特徴が異なります。ここでは著者が選んだ4つの会社を紹介します。
ブルドックソース
東京都中央区に本社を構える「ブルドックソース株式会社」が製造しているソースです。
ブルドックソースの代表的な製品として、犬のブルドッグのロゴが特徴的な「中濃ソース」があり、特に東日本では非常に高い人気を誇り、ほとんどのスーパーでも目立つ位置に陳列されています。
オタフクソース
広島県広島市に本社を持つ「オタフクソース株式会社」が手掛けるソースです。
お好み焼き専用に開発された「お好みソース」で特に知られていますが、他にも「焼きそばソース」や「たこ焼きソース」など、関西地域のソウルフードに密着した商品開発が進められています。ソースの文化が深く根付いている西日本では、特に人気の高いブランドです。
イカリソース
大阪府大阪市に本社を置く「イカリソース株式会社」が製造しているソースです。
イカリのロゴマークが特徴的であり、日本で初めて「ウスターソース」を商品化した企業としても知られています。現在はブルドックソースの子会社となっていますが、大阪における粉もの文化のシンボルとして非常に人気があります。
コーミソース
愛知県名古屋市に本社を構える「コーミ株式会社」が製造しているソースです。
その中でも一番の人気商品は「こいくちソース」で、その旨味の濃さから「こいくち」という名称が付けられています。名古屋の人々から特に愛されるこのソースは、やはり「美味しさの濃厚さ」にこだわっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
日本全国で販売されているソースには、地域によってさまざまな特徴があり、学べば学ぶほど面白さが増しますね。
ぜひ、さまざまな地域のソースを試してみて、あなた自身が「最も美味しいと感じるソース」を見つけ出してみてください。
筆者のおすすめの一本はこちらです。
これはオタフクの業務用ブランドを商品化したソースですが、何と言っても美味しいです!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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