買ってはいけない玄米 〜健康志向の落とし穴〜

あなたは玄米を食べたことがありますか?
通常のご飯と比べると、少し固い食感があり、ぬか特有の風味が感じられるため、進んで食べたいと思わない方も多いかもしれません。しかし、近年では糖尿病のリスクを避けるために、主食を白米から玄米に切り替えようと考える方も増えてきています。また、ダイエットにおいても効果があるとされており、注目を集めています。

ヨーロッパでは、健康志向の高まりを背景に、小麦のパンから全粒粉のパンへの切り替えが進んでいると同時に、お米においても玄米を選ぶ人が増加しています。現在、スーパーマーケットではジャポニカ米やインディカ米など、様々な種類の玄米が販売されています。健康に良いとされる玄米ですが、選び方を誤ると、逆に健康に悪影響を及ぼすリスクがあることも知っておく必要があります。それでは、玄米について詳しく見ていくことにしましょう。

目次
1、玄米と白米の違いは何?
2、玄米は本当に体にいいのか?
3、買ってはいけない玄米とは?
4、まとめ

1、玄米と白米の違いは何?

玄米と白米の一番の違いは、精米の有無にあります。
精米とは、お米のぬかと胚芽を取り除く工程のことを指します。日本国内における玄米と精米の品質表示に関する基準によれば、精米とは「玄米のぬか層の全部または一部を取り除いて精白したもの」と定義されています。

つまり、玄米は精米の工程を経ていないお米のことを意味しています。そのため、ぬかや胚芽など、精米で取り除かれる成分が含まれており、これらの部分には豊富なビタミンB群が含まれています。

玄米と白米ではカロリーに大きな差はありませんが、玄米は白米に比べて糖質がやや低いのです。さらに、不溶性食物繊維やビタミンB1、マグネシウムなども白米より多く含まれています。精米を行わないことで、栄養素が豊富に残っていることが特徴です。

2、玄米は本当に体にいいの?

次に、玄米が健康に与える影響について詳しく考察してみましょう。

【糖質】
玄米は白米よりも糖質が少ないため、食後の血糖値の上昇が緩やかであり、糖尿病のリスクを軽減したいと考える方には特におすすめです。ただし、カロリーはさほど変わらないため、食べ過ぎには十分な注意が必要です。

【食物繊維】
玄米に多く含まれる豊富な食物繊維は、水溶性であるため、便秘解消に寄与することが期待されます。

【ビタミンB1】
ビタミンB1は、ブドウ糖からエネルギーを生産するために欠かせない栄養素であり、不足すると食欲不振や疲労感、だるさなどの症状が現れます。ビタミンB1は精米によって除去されてしまう胚芽やぬかに多く含まれているため、精米を行わない玄米には白米の約8倍のビタミンB1が含まれているのです。

その他にも、マグネシウムやカリウム、鉄分も白米に比べて豊富に含まれています。また、栄養面だけではなく、玄米は白米よりもやや硬めに炊き上がるため、よく噛んでゆっくり食べることで満腹感を得られ、過食を防ぐ効果も期待できます。これはダイエットを目指す方には嬉しいポイントになります。

3、買ってはいけない玄米とは?

さて、精米を行わないことで多くの健康に良い栄養素を残している玄米ですが、精米をしないことにはデメリットも存在します。

【残留農薬】
農薬は一般的に脂溶性が高く、脂質が豊富な胚芽やぬかに蓄積されやすい性質があります。つまり、精米を行わずに胚芽やぬかをそのまま残した玄米には、白米よりも農薬が残存している可能性が高いのです。しっかりと洗い、十分に研いでから炊飯することで一部の農薬を取り除くことはできますが、ほとんどの農薬が残っているのが現実です。

では、どのような玄米を選ぶべきでしょうか?
それは「有機JASマーク」の付いた玄米で、「農薬未使用」のものです。

有機JASマークは、農林水産省による認証制度で、農薬や化学肥料といった化学物質に依存せず、自然の力で生産された食品を示しています。そのため、農薬を使用していないため、残留農薬の心配がありません。

その他にも、「残留農薬不検出」と明記されている商品や、「農薬節減米」といった表示もあります。玄米を購入する際には、必ずパッケージに書かれている説明をよく確認し、農薬が使用されていないものを選ぶことが重要です。

有機栽培や農薬を使用しない栽培方法で育てられた玄米は、確かにコストが高くなることがありますが、健康を重視するなら、質の高い玄米を選ぶことが大切です。

4、まとめ

玄米は、白米と比べて糖質が少ないため、食後の血糖値の上昇が緩やかです。このため、糖尿病などで糖質制限を行っている方には、白米よりも玄米を選ぶことが推奨されます。また、精米によって胚芽やぬかが取り除かれていないため、食物繊維やビタミンB1などが豊富に含まれています。特に、玄米に含まれる水溶性食物繊維は、腸の働きを促進し、便秘の改善にも寄与することができます。ダイエット効果についても期待が持てるでしょう。

さらに、ビタミンB1やマグネシウムといったミネラルも白米より多く含まれています。健康を考えるのであれば、毎日の主食には玄米を取り入れることをお勧めします。

とはいえ、精米を行わないことで得られるメリットと同時に、胚芽やぬかに残留する農薬のリスクも忘れてはいけません。健康な生活を追求して玄米を選んだとしても、農薬によって健康を損なってしまうことは避けるべきです。

そのため、玄米を選ぶ際は、農薬を使用していないものを選ぶことが重要です。有機JASマークやパッケージの説明をしっかりと確認し、農薬を使用していない玄米を選びましょう。

最後に、食べ方についても注意が必要です。玄米は白米よりも炊き上がりが硬めで、噛みごたえがありますので、しっかりと噛まないと胃に負担がかかり、消化不良を引き起こす可能性があります。玄米を食べる際は、十分に噛んで食べることを心掛けましょう。

玄米は、炊き方が難しいというイメージがあるかもしれませんが、今では多くの炊飯器が玄米を簡単に炊ける機能を持っています。無農薬の玄米は白米に比べて価格が高めですが、ぜひこの機会に玄米を試してみてはいかがでしょうか。

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