よく見かけるテレビや雑誌の広告には、「乳酸菌が○○個入り！」といった食品が紹介されていますが、実際のところ、乳酸菌は胃液に対して非常に弱い性質を持っています。そのため、口から経口摂取したとしても、ほとんどの乳酸菌は生きたまま腸に届くことは難しいのが現実です。
ペットフードにおいても、「乳酸菌入り」と表示されていると、たとえ価格が少々高めであっても、健康に良さそうという理由で選んでしまうことが多いですね。
生きたまま腸まで届く「芽胞性乳酸菌」
経口摂取した乳酸菌を生きたまま腸に届けるためには、芽胞（堅いカプセルのようなもの）を形成し、胃液の影響を受けずに生き延びる力を持つ「芽胞性乳酸菌」を選ぶことが重要です。
インターネット上では、「Yahoo！JAPANショッピング」や「楽天市場」、「Amazon」といった主要なショッピングサイトや、各メーカーの公式ホームページを通じて、30種類以上の乳酸菌サプリメントが製造・販売されています。
また、サントリーやキリン、アサヒ、カルピス、FANCL、DHC、キューピー、大正製薬などの名だたる企業から、中小企業に至るまで、さまざまな乳酸菌サプリメントが市場に出回っています。中には、皆さんが聞いたことのある製品も多いのではないでしょうか。
製品の成分や価格を比較できるサイトも存在しますので、興味のある方はぜひネットで検索してみてください。
現在のところ、芽胞を形成する乳酸菌はBacillus coagulansが唯一確認されていますので、購入の際は「芽胞性乳酸菌」であることをしっかりと確認することをお勧めします。
コスパよく腸で乳酸菌を増やす方法
最近では、ソフトカプセル入りの乳酸菌サプリメントも多く販売されていますが、その分価格が高くなりがちです。ここでは、私の体験を基に、コストパフォーマンスに優れた方法で腸内の乳酸菌を増やす手段をご紹介します。まず、メーカーのサンプルやモニター商品をお手頃な価格（500〜1,000円以内）で入手することから始めましょう。
メーカーによっては、1人1回限りや1家族1回限りといった制限が設けられていることがありますので、しっかり確認してください（中には無料で提供される場合もありますが、その後に定期購入の案内がコールセンターから勧誘の電話やダイレクトメールとして届くこともありますので、根負けしないように頑張りましょう）。
試供品の内容は、メーカーによって7日分だったり14日分だったりしますが、14日分の方が効果を実感しやすいと思います。元種を手に入れたら、あとは継続して飲み続けるだけです。数日間飲み続けると、排泄時に大便の臭いが変わってくることに気づくかもしれません。
香ばしい香りが感じられるようになったら、腸内に乳酸菌が定着したと考えて良いでしょう。その後は、腸内の善玉菌を維持することを心がければ、腸内環境を良好に保つことができます。
乳酸菌にも食糧をあげましょう
乳酸菌が増えるためには、彼らにとっての食糧が必要です。私が特にお勧めしたい乳酸菌の食糧は、アサヒグループ食品の「エビオス錠」と、シュガースポットが出ている「バナナ」です。
元種を飲み始める際に、一緒に摂取することで効果的です。「エビオス錠」の用法・容量には、1回10錠を1日3回摂取することが推奨されていますが、朝と夜、昼と夜、または朝と昼など、1日2回でも十分な効果が得られます。
バナナを取り扱う大手企業「Dole」では、「そばかすバナナ」と呼ばれていますが、「シュガースポット」とは、茶色い斑点のあるバナナのことを指します。実は、この時期がバナナの栄養価が最も高まる時期なのです。日本バナナ輸入組合の「バナナ大学」の資料によれば、バナナには乳酸菌などの善玉菌の食糧になる「不溶性食物繊維」が豊富に含まれており、さらにポリフェノールやビタミン類、カリウムなども多く含まれていますので、シュガースポットが出ているバナナは栄養たっぷりです。特にポリフェノールは、最大限に活性化されている状態です。
最近、フィリピンから輸出されるバナナの価格が上昇することが発表されましたが、スーパーマーケットでは4〜5本入りで100円から200円程度で手軽に購入できる果物です。
嬉しいことに、スーパーマーケットでは、バナナの栄養価が最も高まっている「シュガースポット」が出始めると、値引きが行われ、その結果、店頭販売価格が半額、あるいはそれ以下で購入することができます。
夏場の気温が高くない時期であれば、数日間室温で保存しても問題ありませんが、気温が高い夏場には室温では長持ちしませんので、皮を剥いてラップで包み、冷凍庫で保存すると良いでしょう。そうすれば、シャリシャリとした食感のバナナをお好きな時に楽しむことができます。
ちなみに、バナナ1本（100g）は93カロリーであり、ご飯1杯（150g）は234カロリー、食パン1枚（80g）は198カロリーに相当します。
死滅した乳酸菌も役に立つ
胃液によって死滅してしまった乳酸菌は役に立たないものと思われがちですが、実はそうではありません。最近の研究によれば、死滅した乳酸菌も腸に良い影響をもたらすことが明らかになっています。死滅した乳酸菌は腸内の善玉菌の食糧となり、善玉菌の増加を助ける役割を果たしています。
乳酸菌を多く含む食品を食べて、腸内環境を良好に保ちましょう
ヨーグルトやチーズなどの乳製品、味噌、ぬか漬け、キムチに代表される発酵食品には、たくさんの乳酸菌が含まれています。
さらに、高い確率で生きたまま腸に届くことが確認されている乳酸菌を含むヨーグルトや乳酸菌飲料も数多く市販されています。
最近の研究では、乳酸菌が腸内に存在する免疫器官に働きかけ、免疫細胞を活性化させる効果があることもわかってきました。
腸内環境を整え、免疫力を高める効果も期待できる乳酸菌を豊富に含む乳製品や発酵食品を日々の食事に取り入れて、腸内環境を良好に保ちましょう。
そして、健康的なライフスタイルを楽しんでいきましょう！
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