以前の電車内の風景を思い起こすと、多くの人々が音楽プレイヤーに有線ケーブルのイヤフォンを接続し、楽しんでいる様子が印象的でした。しかし、近年ではその風景が一変しています。音楽を楽しむスタイルが変化し、現在ではスマートフォンを使って音楽を聴く人が増加し、さらにその際には有線ではなく無線、つまりワイヤレスで音楽を楽しむユーザーが増えているのです。
このワイヤレスイヤフォンは進化を遂げ、現在では左右のイヤフォンが完全に独立しているTWS(トゥルー・ワイヤレス・ステレオ)=フルワイヤレスイヤフォンが主流となっています。
このようなワイヤレスイヤフォンを購入する際には、いくつかの注意点があります。雑誌やウェブサイトでは音質の比較が多く掲載されており、思わず音質を基準に選べばよいのではないかと考えてしまうかもしれませんが、実際には「基本的なこと」を見逃してしまうと、後々後悔することになります。
TWSイヤフォンの種類
TWSと呼ばれるワイヤレスイヤフォンは、その名の通りイヤフォンが左右に完全に分かれているのが特徴です。これにより、見た目は2つのイヤピースのようになっています。
形状に関しては、あまり差異がないものの、強いて言うならば「①耳に挿入する部分以外は丸い塊のような形状」と「②AppleのAir Pods Proのように、iPhone付属のイヤフォンからケーブルがなくなった縦に細長い形状」の2つのパターンがあります。形状のバリエーションはこの程度で、多くの製品が似たような外観を持っています。
しかし!!機能面では、高級品とエントリー品の間には明確な違いがあります。その違いの核心にあるのが、主にANCという機能です。これはActive Noise Cancellingの略称であり、要するにノイズキャンセリング機能です。
このANC機能を搭載している製品は、通常高級品に分類されることが多いです。この機能を備えたイヤフォンは外部の音を拾い、スピーカーからその音を打ち消す音を出すことで、外部の音を効果的に遮断し、本来楽しむべき音楽だけを届けるという特性があります。実際にANC対応のワイヤレスイヤフォンを装着してみると、周囲の音が突然消えたように感じる不思議な体験をすることができます。
高級品が良いはずだと信じる前に
この記事では、ANC機能を搭載したワイヤレスイヤフォンを購入してはいけない商品についてお話しします。
ワイヤレスイヤフォンは、左右に分かれているため、各イヤフォンには無線機能やバッテリーなど、様々な部品が搭載されています。つまり、これらの部品があるためにそれなりに重量があるのです。
このようにやや重めのワイヤレスイヤフォンですが、その重さは基本的にイヤピースが耳に刺さることで支えられています。走ったり、急に動いたりすると、外れてしまう危険性さえあるのです。
さらに、ANC機能を搭載したワイヤレスイヤフォンには、スピーカーだけでなくマイクも組み込まれています。このマイクが外部の音を拾い、それを打ち消す音を生成するため、必然的に重くなるのは避けられません。また、ノイズキャンセリングを処理するための回路も内蔵されており、その処理が電力を消費するため、バッテリーの持続時間が短くなることがあります。結果的に、バッテリーが増設される場合もあり、その分重さが増すことになります。元々重い製品がさらに重くなるということです。
高級品だからといって必ずしも良いとは限らず、逆に多機能であるがゆえのデメリットも存在します。
たった2gの違いが大きな問題となる
この結果、どうなるかというと、イヤピースで何とか支えられていたイヤフォンが、歩くことで揺れ、重さに耐えられずに耳から外れて落ちてしまうという事態が発生することがあります。せっかくお金をかけて購入したのに、そのような結末に至ってしまうのは非常に悲しいことです。
ただし、すべてのANC機能を持つフルワイヤレスイヤフォンがこの問題を抱えているわけではありません。ここで注意すべきは「その重さ」です。
機能そのものが悪いわけではなく、それを搭載したことで重くなってしまうことが根本的な問題なのです。ANCを搭載していないイヤフォンの重量はおおよそ4g程度ですが、ANC機能付きの製品は平均して6g程度になります。
わずか2gの違いなのです!!
しかし、この2gの差が、イヤピースだけで支えるイヤフォンにとっては決定的な違いとなります。耳から外れるイヤフォンは、ストレスの元にしかなりません。何しろ、最悪の場合、そのまま紛失してしまう可能性さえあるのです。
まとめ
ワイヤレスイヤフォンを購入する際には、必ず「本体の重量も確認すること」が重要であると、私が言いたいことの核心です。このような注意点を私が強調する理由は非常に明確です。
それは、私自身がその状況を経験したからです。
具体的に言うと、私が困った商品はEchoBudsです。
この商品はAmazon Prime Dayで非常にお得な価格で販売されていたため、あまり下調べをせずに購入してしまったのです。魅力的だったのは、そのセール価格だけでなく、ワイヤレス充電が可能である点でした。
スタンドを購入すれば、本体ケースをその上に置くだけで充電が行えるという便利さがあり、生活の質が向上しそうな機能を持っていました。しかし、他の要素についてはあまり考慮していませんでした。
そして、実際に耳に装着してみると、その重量感に驚かされます。これをつけたまま走ったりしたら、耳から落ちてしまうのではないかと不安になるのです。(購入後だったので後の祭りです。)雑誌の比較記事でも、音質の違いについて専門家が評価している一方で、重量などの基本的な要素が見落とされています。なぜなら、音楽を聴く際には、移動中よりも静かな場所でじっくりと音楽に集中する質の高さが重視されているからでしょう。
したがって、私の実体験をもとに、今回は避けるべきワイヤレスイヤフォンについてお話しさせていただきました。ぜひ、私と同じような間違いをしないよう、注意を払っていただければと思います。
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