肉類は、優れたたんぱく質源として広く知られています。
特に育ち盛りのお子様がいる家庭や、肉料理が大好きなご家族にとって、毎日の食卓に肉料理を並べることは一般的な光景かもしれません。
しかし、肉に含まれるさまざまな添加物が懸念されており、それに対する不安感が高まっているのも事実です。
せっかく美味しい肉を楽しむのであれば、安心して食べられるものを選びたいものです。
そこで、今回は肉に使用されている添加物のリスクについて詳しくお伝えし、それに加えて安全なお肉を選ぶための基準についてもお話ししたいと思います。
家畜の健康について

安全なお肉を選ぶ際に特に注意したいのは、家畜自体が健康であるかどうかです。
健康な家畜とは、病気にかかっていない状態の家畜を指します。
さらに重要なのは、どのような環境で育てられたかという点です。
人間と同様に、家畜もストレスの多い環境で生活すると、その肉質が低下します。
広い場所でのびのびと育てられた家畜と、狭い小屋で育てられた家畜では、ストレスの度合いは大きく異なります。
また、運動する機会の有無も影響し、筋肉や脂肪の割合が変わってくることも考えられます。
さらに、飼料の内容も肉の質に大きな影響を与えます。
人間の健康が食事によって大きく左右されるのと同様に、家畜の健康もその食べ物によって影響されます。
お肉の安全性を考えると、どのような飼料を摂取していたのかという点も非常に重要な要素となります。
肉を選ぶ際に店頭でみるべきポイント

健康的で安全な家畜を育てることは、非常に重要な事柄です。
しかし、全ての面において健康に配慮した家畜を育てるためには、膨大な時間と費用が必要になります。
加えて、流通の観点からもコストがかかるため、その結果として肉の価格が上昇してしまうことも考えられます。
そのため、日常的に肉を楽しむことが難しくなる可能性も否定できません。
ここでは、安全なお肉を選ぶための基準として、以下の3つのポイントについて説明します。
遺伝子組み換え飼料の不使用
抗生物質の不使用
肥育ホルモン剤不使用

成長ホルモンは、私たち人間や動物にとって自然に分泌されるもので、繁殖や成長に欠かせないものです。
ただし、日常的に「成長ホルモン」という言葉が用いられる場合、それは成長促進ホルモン剤や肥育ホルモン剤を指すことが一般的です。
これらのホルモン剤は、自然由来のホルモン物質と人工的に合成されたホルモン物質を混合し、家畜に投与されています。
肥育ホルモン剤が家畜に使用される理由は、ただ一つ、成長のスピードを速めるためです。
ホルモン剤を投与することで、餌からの栄養素の吸収が向上し、少ない餌でも効率良く成長が促進されます。
さらに、成長が早まることで出産から出荷までの期間が短縮されることも利点です。
日本においては成長を早める目的で肥育ホルモン剤の使用は認められていません。
日本で合法的に使用されている肥育ホルモン剤は、医療目的で使用される天然型のホルモン剤のみです。
しかし、食肉輸出大国であるアメリカやオーストラリア、ニュージーランド、カナダでは、その使用が認められています。
対照的に、EU諸国では肥育ホルモン剤の使用を禁止しており、肥育ホルモン剤が投与された食肉の輸入も制限されています。
EUがこのような禁止措置を講じている理由は、EUの獣医公衆衛生に関する科学委員会が、肥育ホルモン剤が人体に悪影響を及ぼす可能性があるとの見解を示しているからです。
日本では肥育ホルモン剤の使用は認可されていないものの、肥育ホルモン剤を投与された家畜の肉の輸入は許可されています。
ただし、外国産の肉が必ずしも全て肥育ホルモン剤を投与されたものであるわけではありません。
肥育ホルモン剤の使用は農場ごとの判断によるため、ホルモン剤が許可されている国でも、肥育ホルモン剤を使用していない農場で生産された肉の場合もあります。
現在の日本では、肥育ホルモン剤の投与の有無について、食肉に表記する義務はありません。
しかし、肥育ホルモン剤を使用していない肉は付加価値が高いとされ、アピールして販売されることが多いでしょう。
もし海外からの肉に不安を感じるのであれば、肥育ホルモン剤が使用されていない国内産の肉を選ぶことをお勧めします。
遺伝子組み換え飼料の不使用

遺伝子組み換え作物とは、特定の遺伝子を組み込むことによって、農薬耐性や害虫抵抗性など、育てやすく改良された作物のことを指します。
日本では主要作物であるトウモロコシ、ナタネ、ダイズ、ワタなどの自給率が非常に低く、その大部分を海外から輸入しています。
これらの輸入作物の大半は、遺伝子組み換え作物とされています。
日本はこれらの作物の生産国ではありませんが、年間数万トンの遺伝子組み換え作物を輸入する消費大国と言えるでしょう。
遺伝子組み換え作物は世界中で流通しており、広く利用されています。
これらの作物が人体に与える影響については、多くの機関が研究を行い、安全なものだけが流通しているとも言われています。
しかし、遺伝子を操作して栽培すること自体が不自然な行為であり、そうした作物を摂取した家畜の肉を食べることには、何らかの影響が出るのではないかと不安に思うのは自然なことです。
実際に、スーパーマーケットに行けば「遺伝子組み換え作物不使用」とアピールしたさまざまな食品が並んでいます。
遺伝子組み換え作物の影響が気になる方には、「遺伝子組み換え飼料不使用」の肉を選ぶことを強くお勧めします。
抗生物質の不使用
家畜に抗生物質が投与される理由には、病気の治療と病気の予防の二つがあります。
病気を予防する目的で抗生物質を使用する場合、病気にかかっていない家畜に長期間投与されることが一般的です。
これは抗生物質の過剰投与を招き、それが原因で抗生物質に対する耐性を持つバクテリアが生まれる可能性があります。
このようなバクテリアが人間の健康に悪影響を及ぼすとされています。
まとめ
安全なお肉を選ぶことは、私たち自身の健康に直結します。
単に安価だからという理由で購入するのではなく、その肉がどこでどのように育てられてきたのかに目を向けることが大切です。
そうしたことに注意を払い、健康的な食生活を送るために、選ぶ食品に気を付けてみてください。

コメント