ごはんのお供として、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?梅干しや漬物、佃煮、ふりかけなど、さまざまな選択肢がありますよね。また、脂ののったサバもごはんとの相性がとても良く、特に最近はシンプルな塩焼きだけでなく、さまざまなサバレシピが増えてきています。サバは手軽にスーパーで手に入るため、家計にとっても優しい食材です。
しかし、このように優れたサバにも、実はデメリットがあることをご存知でしょうか?今回は、購入を避けるべきサバについて詳しくご紹介します。
サバとは
スズキ目サバ亜目サバ科サバ属に属する魚の総称で、主に茨城県や千葉県の房州、さらには東北の三陸地方などがその代表的な産地となっています。旬は晩秋から冬にかけてで、各季節に応じて「秋鯖(アキサバ)」や「寒鯖(カンサバ)」と呼ばれ、寒い季節に楽しむ魚として広く親しまれています。
なお、サバにはいくつかの種類があり、一般に流通しているサバの大半はマサバ(真鯖)、ゴマサバ(胡麻鯖)、ノルウェーサバ(太平洋鯖)のいずれかに分類されます。
特徴的な背中のサバ柄と白いお腹、また断面がやや平たい形状が特徴的です。この3種類の中でも最も一般的で、食卓に並ぶことが多いのがマサバです。食べ方としては、やはり焼きサバとして楽しむのが一番のおすすめです。
背中にはサバ柄があり、お腹には黒い斑点が見られ、他のサバと比べて細身ですが断面は丸い特徴があります。特にゴマサバは脂が少なく、あっさりとした味わいを持っているため、マサバに比べると味が劣るとされますが、季節による味の変動が少ないため、夏の時期にはゴマサバの方が人気があります。焼きサバは夏に、その他の季節にはシメサバとして楽しむのがおすすめです。
背中にはサバ柄ではなく、筋状の斜め模様が見られます。ノルウェーサバは太平洋サバとも呼ばれ、主に海外(特にノルウェー)から輸入される品種です。濃厚な味わいと脂の乗りが特徴で、サバの缶詰や回転寿司などで多く利用されています。
- マサバ 211kcal ➡ 炭水化物 0.3g 脂質 16.8g たんぱく質 20.6g
- ゴマサバ 131kcal ➡ 炭水化物 0.3g 脂質 5.1g たんぱく質 23.0g
- ノルウェーサバ 295kcal ➡ 炭水化物 0.4g 脂質 26.8g たんぱく質 17.2g
あっさりしたゴマサバは脂質が低く、濃厚なノルウェーサバの半分以下のカロリーです。このように、同じサバでも種類によってカロリーや栄養成分が異なることが分かります。栄養バランスや料理に応じて、サバの種類を使い分けるのも良いかもしれませんね。
- 背中の模様が鮮明であること
- 目が黒くて澄んでいること
- エラが鮮やかな赤色をしていること
- お腹が白く、キメが細かいこと
サバの栄養成分について
サバなどの青魚には、「EPA」や「DHA」といった成分が豊富に含まれています。これらは必須脂肪酸の一種であり、体内で生成することができないため、食事を通じて摂取が不可欠です。
EPA:血液の循環をスムーズにする効果があり、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる動脈硬化など、循環器系の疾患を予防するのに役立つとされています。
DHA:神経細胞を活性化させ、記憶力の向上が期待できる成分です。「魚を食べると頭が良くなる」という言葉は、DHAが豊富に含まれていることから生まれたのかもしれません。
- マサバ ➡ EPA 690mg DHA 970mg
- ゴマサバ ➡ EPA 230mg DHA 830mg
- ノルウェーサバ ➡ EPA 1800mg DHA 2600mg
比較すると、EPA・DHAの含有量はノルウェーサバ > マサバ > ゴマサバという順に多くなっています。
サバに潜む危険性
健康に良いイメージの強いサバですが、その一方で危険が潜んでいることも否定できません。これからは、注意すべきポイントを含めた危険性について詳しくお話しします。
サバに多く含まれるEPAやDHAは、中性脂肪や悪玉コレステロールを減少させる一方で、善玉コレステロールを増やす働きがあります。さらに、血液をサラサラにする効果もあり、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病から私たちを守る役割を果たしています。
サプリメントで手軽に摂取できる「オメガ3系高度不飽和脂肪酸」ですが、残念なことに、摂取すればするほど効果が増すわけではありません。むしろ過剰摂取は下痢や吐き気、止血困難などの副作用を引き起こし、肥満の原因にもなり得るため、健康に良いからといって摂りすぎには注意が必要です。
魚介類や肉類、穀類に含まれるミネラルの一つで、強力な抗酸化作用により有害物質(水銀など)の無毒化や免疫力の向上、生活習慣病の予防、老化防止などの効果が期待されています。しかし慢性的に過剰摂取すると、疲労感や焦燥感、脱毛、爪の変形、下痢、胃腸障害、神経障害などの症状を引き起こす可能性があります。
アニサキスは長さ2~3㎜、幅0.5~1㎜ほどの白い糸のような見た目をした寄生虫(線虫)で、主に魚介類に寄生します。生きたまま体内に入ることで胃壁や腸壁を刺入し、食中毒(激しい腹痛や嘔吐など)を引き起こします。
サバやイワシなどの青魚は、他の魚と比べて消化酵素の働きが強く、腐敗しやすいため、一般的には生で食べることは避けられる傾向にあります。
アニサキスは水分の多い内臓に生息しているため、個人で釣った場合には水揚げ後、すぐに氷水に浸してアニサキスの動きを鈍らせ、速やかに内臓を取り出すことで食中毒のリスクを抑えることが可能です。しかし、完全に防げるわけではないので冷凍や加熱処理を行ってアニサキスを死滅させることが重要です。
- 鮮度を徹底する
- 冷凍(-20℃で24時間以上)
- 加熱(70℃以上または60℃なら1分)
※アニサキスは醤油やわさび、酢などの調味料だけでは死滅しません。
引用:厚生労働省「アニサキスによる食中毒について」
冷凍や加熱処理によって死滅したアニサキスは基本的に無害であり、食べても問題ありませんが、アニサキスアレルギーの方はアレルギー反応を示すことがあるため、十分な注意が必要です。もし食後数時間から数日後に激しい痛みを感じた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
サバの食中毒はアニサキスだけではない?
アニサキス以外にも食中毒の原因となるものに「ヒスタミン中毒」があります。
ヒスタミンはサバを含む青魚に多く含まれ、ヒスチジンという物質にヒスタミン生成菌が作用して生成されます。ヒスタミン中毒は食後から1時間程度で発症し、頭痛や吐き気、蕁麻疹、顔面紅潮などの症状を引き起こすため、異変を感じたらすぐに医療機関に相談することが重要です。
サバは非常に鮮度が落ちやすい魚のため、生で食べる際には迅速さが求められます。鮮魚店で購入した場合でも、食べられるほど新鮮とは限らないため、常温保管などで明らかに鮮度が落ちているものは食べないようにしましょう。
ヒスタミンはアニサキスとは異なり、温度処理によってはその毒性が消えないため、注意が必要です。ただし低温では動きが鈍くなるため、釣った場合には水揚げ後すぐに氷水に浸すことが推奨されます。さらに、ヒスタミン生成菌はエラや消化器官に多く存在するため、サバを釣った後や購入後は速やかに内臓処理を行うことが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はサバについての詳細をご紹介しました。
「セレン」は過剰摂取を避け、「アニサキス」は加熱処理で死滅させ、「ヒスタミン」は内臓処理を怠らないことが大切です。安心してサバを楽しむためには、これらの知識をしっかりと頭に入れておくことが不可欠です。
下処理などは面倒に感じるかもしれませんが、食中毒のリスクを避けるためには手間を惜しまず行うことが重要です。料理初心者の方や忙しい方は、処理済みのサバを利用するなどの工夫をして、ぜひ美味しくサバを楽しんでいただきたいと思います。
コメント
過剰摂取すればなんでも危ないでしょ
危険を煽るような下手な記事だ
上手に摂取することが大事なんですね
勉強になりました