毎年のように、地震や台風といった自然災害に見舞われている日本。私たちの生活において、防災グッズは今や一家に一つは必ず備えておくべき重要なアイテムとなっています。しかし、実際に被災した方々の話を聞くと、「これは必要なかった」と感じるものも多いようです。緊急時には持ち出すアイテムをできるだけ無駄なく、コンパクトに整理しておきたいものです。
あまり必要ない防災グッズ
もちろん防災グッズとして持っておくこと自体は悪くありませんが、わざわざ購入する必要が少ない、優先順位が低いアイテムについてご紹介します。
テント
災害が発生した際、ほとんどの人が避難所に一時的に避難することになります。個人用のテントがあれば混雑した避難所に行かずに済むと考える方もいるかもしれませんが、実はその考え方は危険です。実際に地震や台風、水害などの際に自分のテントで避難を行うことは、ほとんど不可能だと考えておくべきです。災害時には、安全な建物内で自治体の指示に従い、避難生活を送ることが最も安全な方法です。重くて場所を取るテントは、防災グッズとしてはあまり役に立たないという認識を持っておきましょう。
毛布
避難所は体育館など、空調が効かない場所が多いため、寒い季節には毛布を用意される方もいるようです。しかし、毛布はかさばり、持ち運ぶ際に場所を取り、スムーズな避難を妨げる可能性があります。防寒対策には、薄くて軽量な防災用アルミシートなどが市販されているため、そちらを準備しておくと良いでしょう。
ロープ
高い場所から降りたり、重い物を移動させる際に使われるロープですが、実際の災害時に自分で使う機会は非常に少ないです。そうした状況では、ほとんどの場合、自衛隊などの専門家に任せることになるので、自己用に用意しておく必要は薄いといえます。
手回しグッズ
手回しで動く懐中電灯やラジオなど、充電や電池が不要なアイテムが多く出回っています。しかし、それらを利用するには常に手を回し続ける必要があり、災害時には体力を消耗する恐れがあるため注意が必要です。ラジオや懐中電灯、携帯充電器などは、電池式のものを新しい電池と一緒に用意しておくことをお勧めします。
ローソク・ライター
停電時に備えてローソクやライター、マッチなどを用意している方も多いかもしれません。しかし、これらは直接火を扱う必要があるため、火事のリスクが伴い、あまりお勧めできません。緊急時の明かりには、懐中電灯やランタンなどの方が安全で実用的です。
常備しておきたい防災グッズ
逆に、必ず備えておくべきアイテムや優先順位の高いものについてご紹介します。
水
生存に不可欠な水は、断水に備えて必ず防災グッズに含めておく必要があります。成人一人当たり、1日に必要な水の量は約3リットルと言われていますので、家族の人数に応じて×3日分の水を常時備蓄しておくことが大切です。また、もし避難しなければならなくなった場合、大量の水を持ち運ぶことは難しいため、500mlのペットボトルを数本、防災バッグに入れておくと持ち運びやすく、非常に便利です。
懐中電灯・ランタン
懐中電灯などの照明器具は、停電時に最も役立つアイテムです。手回し式のものは体力を消耗させてしまうため、電池式のものを選ぶことをお勧めします。電池は液漏れなどのトラブルを避けるため、常に新しいものを別途用意し、内部に入れっぱなしにしないことが重要です。
ラジオ
現代では、ほとんどの人がスマホを使って情報を得ているため、普段からラジオを常備している人は少ないかもしれません。しかし、災害時にはネットや電話がつながらず、テレビも使えない状況になる可能性があるため、ラジオは最新情報を得るための貴重な手段となります。そのため、防災グッズには必ず携帯用のラジオを準備しておくことが重要です。こちらも手回し式ではなく、電池式を選ぶことをお勧めします。
衛生用品
トイレットペーパー、生理用品、ウェットティッシュなどの衛生用品も、非常時に備えて用意しておくべきです。トイレットペーパーは避難所において非常に貴重なアイテムとなるでしょうし、ティッシュペーパーの代わりにもなります。また、生理用品は避難所では手に入りにくくなることが多く、自分の意思で止められるものではないため、必須アイテムです。水が貴重な資源となる避難生活では、ウェットティッシュを手洗いの代わりに使うことができるので、持っておくと非常に便利です。
まとめ
防災グッズは、災害が頻発する日本に暮らす私たちにとって、非常に重要かつ必要なアイテムです。しかし、必ず用意しておくべきものとそうでないものがあります。必要性の低いアイテムに場所やお金を使うのは無駄ですし、その分、必要なものをしっかりと準備しておきたいものです。例えば、重くて場所を取るテントは、実際には避難所を利用する方が安全なので必要ありませんし、ろうそくなどを使った火の取り扱いは火事の危険があるため推奨できません。電池式の懐中電灯やランタンが非常におすすめです。逆に、絶対に必要なものは水です。人間が生きるために最も必要なものであり、必ず常備しておく必要があります。他にも、携帯ラジオは新しい情報を得るために必須のアイテムです。このように、必要なものとそうでないものを理解し、いざという時にはできるだけ身軽に避難できるように備えておきましょう。
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