野菜の皮を剥いたり、カットしたりする作業というのは、意外と手間がかかるものです。そして、特に夕食の準備の時間帯は、分単位で忙しさが増すものですよね。多忙な主婦にとって、料理のプロセスを少しでも簡単にできる手段があれば、とても嬉しいはずです。
そんな時に便利なのがカット野菜の存在です。カット野菜は、忙しい主婦の強力な味方となっており、現在では多様な種類がスーパーマーケットなどでパッケージとして販売されています。
しかし、カット野菜に関しては「薬剤が使われている」「ほとんど栄養がない」といった、あまり良くない噂を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
今回は、そのようなカット野菜に関する噂をしっかりと検証してみたいと思います。
カット野菜の実態
カット野菜は、ほとんどのケースで専門の加工工場で製造されています。野菜を切る作業をしたことがある方なら理解できると思いますが、カットした野菜はその断面からすぐに変色や劣化が始まってしまいますよね。
切り方や野菜の種類によって異なるものの、見た目に「新鮮!」と感じられる状態であるのは、切ってから1日から2日が限界ではないでしょうか。
カット野菜の製造過程では、このような品質の低下を防ぐために、原材料となる野菜や使用する機器についての洗浄や殺菌が徹底されています。
まず、原材料の野菜はお水で予備洗浄されます。この予備洗浄の工程によって、野菜に付着した土や泥、さらには微生物も洗い流されます。また、洗浄を行うことで野菜の温度が下がり、品質の低下を防ぐ効果も期待できるのです。
次に、問題となる野菜の殺菌についてです。
カット野菜の殺菌に使われる薬剤の代表的なものが「次亜塩酸ナトリウム」です。中には、塩素系の水に浸けて殺菌を行っているものもあります。
カット野菜のパッケージを開けた際に感じるかすかなプールのような匂いは、このために生じるものです。
安心・安全なカット野菜を作るための食品添加物
カット野菜には、次亜塩酸ナトリウムのほかにも、野菜の鮮度を保つために「pH調整剤」という食品添加物も多く利用されています。
食材にはそれぞれ適切なpHがあり、そのバランスを維持することで傷んだり腐敗したりするのを防いでいます。
カット野菜の場合も、いつまでも新鮮な状態を保つために、この「pH調整剤」が使われています。
実際には35種類もの化合物がpH調整剤として指定されていますが、カット野菜で主に使用されるのは「クエン酸」「グルコン酸」「コハク酸」です。
各国ではpH調整剤の使用について表示義務があるものの、一般的には「pH調整剤」とだけ記載すればよく、詳細な成分を表示する義務はありません。
一括表示には便利さがある反面、具体的にどのような食品添加物が含まれているのかがわからないという問題も生じています。
次亜塩酸ナトリウムやpH調整剤は、国によって認可されている食品添加物であり、消費しても安全とされています。
とはいえ、食品添加物であることに変わりはなく、さまざまな実験から発がん性やアレルギーを引き起こす可能性があると指摘されています。また、一部の添加物には中毒性があるとの報告もありますので、摂取量には注意が必要です。
製造工程で栄養素も流れ出ている?
食品添加物の使用に加えて、カット野菜の洗浄工程で栄養素が流れ出ている可能性も無視できないのではないかと感じます。
生野菜の魅力は、軽く洗うだけで栄養素が大量に流れ出ることなく、ほぼそのままの栄養を摂取できる点にあります。
しかし、カット野菜の場合、製造過程で予備洗浄や殺菌剤を用いて何度も洗浄されるため、ビタミンB群やCなどの水溶性の栄養素が流出してしまうことがあります。
ビタミンが不足することで体調に影響を与えることが明らかになっているため、カット野菜を利用することで期待していた栄養素が得られないとしたら、少し残念に感じてしまいます。
手間を省くことで、やはり失われるものも多いのかもしれません。
まとめ
それでも、カット野菜は実際に非常に便利な製品です。ファミリーレストランやデパ地下、スーパーの惣菜でもカット野菜が利用されています。
食品添加物や栄養について不安があるものの、「外食の際はお家での料理を重視する」「加工野菜を利用した翌日は新鮮な野菜を使う」「時間がない時や少量の野菜しか必要ない時だけカット野菜を使う」といったように、食生活にメリハリを持たせることが重要かもしれません。
忙しい現代人の健康を守るためには、日常的に口にする食材には特に気を使いたいものです。
昔に比べて私たちの周りには便利な食べ物が溢れています。つまり、それに伴い食品添加物も多く存在しています。
国が認可しているとはいえ、私たち現代人は知らず知らずのうちに食品添加物を口にしているのが現状です。意識して食品を選ぶこと、加工された食材ではなく、できるだけ丸ごとの野菜など、そのままの状態で手に入る食材を選ぶことが求められます。
自分自身や家族、そして身近な人々のために、少し視点を変えて、より豊かな生活を目指してみませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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