最近では、特に都市部において新築マンションの価格が急激に上昇しており、購入を検討している方々の中には、手が出しづらいと感じている方が多いのではないでしょうか。
新築マンションが購入不可能となると、次に検討する選択肢としては中古マンションが挙げられます。特に築年数が古い中古マンションであれば、価格が非常にリーズナブルで、購入のハードルが下がる場合があります。
とはいえ、建築からかなりの年月が経過しているため、いくつかのリスクが伴うことを忘れてはいけません。特に耐震性やその他の構造的な安全性については、しっかりと調査を行う必要があります。また、水回りの状態も重要なチェックポイントです。
今回は、築古の中古マンションを検討する際に、注意すべき点をいくつかご紹介いたします。これらの要素が気になる場合、もしかするとそのマンションは購入を避けるべき物件かもしれません。
リフォームのグレード
現在所有しているマンションを売却し、新たに別のマンションを購入する際には、売却を先行するか購入を先行するか、資金面を考慮しながら選択することが一般的です。多くの場合、先に所有物件を売却し、その売却資金を元に新たな物件を購入する「売り先行」の形になることが多いでしょう。
その際、売却と新たな購入の決済を同日に行い、数日内に新居に引っ越す必要が生じることもあります。こうしたスケジュール上の理由から、購入後にリフォームを行ってから入居することが難しいため、リフォーム済みの物件を不動産業者から提案されることもよくあります。
リフォームについては、中古マンションの検索サイトを見ると、次のように具体的に記載されていることがあります。
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2022年2月完了
水回り設備交換：キッチン・トイレ
内装リフォーム：壁・床
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この事例で注目すべきなのは、トイレのリフォームが行われたことは明記されているものの、具体的にどのようなリフォームが施されたのかは不明である点です。
例えば、トイレのリフォームを考える際、どのような選択肢があるでしょうか。最もシンプルな方法として、便座を温水便座に交換するという手段があります。日本製の便座であれば、通販サイトで15,000円ほどで購入でき、自分で取り付けることも可能です。
一方で、便器自体を全面的に交換し、専門業者に施工してもらうような本格的なリフォームでは、20万円以上のコストがかかることもあります。このように、同じ「トイレのリフォーム」としても、内容によって大きな価格差があることを理解しておく必要があります。
また、ビルトインガスコンロに関しても、工事費用込みで5万円から25万円以上するモデルまで幅広く存在しています。
ここで気を付ける点は、あなたが検討しているリフォーム物件の品質やグレードがどうであるかということです。現在お住まいのトイレが温水便座に交換されたものであれば、新居のトイレもそれと同程度のものであれば特に問題にはならないでしょう。
しかし、もし高級グレードのトイレを使用していた場合、パイプが露出しているのが気に障るかもしれません。
また、ビルトインガスコンロに関しても、最近の廉価モデルではグリルタイマー機能が搭載されています。この機能は、魚を調理する際に「姿焼き」「切身」「干物」を選ぶだけで、適切な調理を行ってくれる便利な機能です。
しかし、グリルタイマー機能がないモデルも存在するため、これらの違いは内覧時には見逃されがちです。壁紙の状態は一目で確認できますが、トイレやビルトインガスコンロの状態は、内覧時にしっかり確認することをお勧めします！
エアコン
エアコンは、現代のマンションではほとんどの部屋に設置されていますが、少し古いマンションでは、すべての部屋にエアコンを取り付けることができない場合があります。
ただし、この点については内覧時に説明されることが多いので、購入を決定するまでに気づかないということは少ないでしょう。むしろ、中古物件を探す際には、事前にこの点を意識しておくと良いでしょう。
共用部分
共用部分には、玄関ドアやベランダなどが含まれることは一般的に知られています。しかし、これらの共用部分は、区分所有者の意向だけで変更することはできません。たとえフルリフォームを行ったとしても、共用部分はオリジナルの状態のまま残るため、その点は注意が必要です。
この部分はマンション全体での合意が必要なため、どのようにしても変更することはできないのです。
光ケーブル
最後に、光ケーブルについてです。
最近のマンションでは、インターネット環境を整備するために光ケーブルが完備されていることが多くなっています。しかし、現在のようなインターネット環境が整備される以前に建てられたマンションでは、光ケーブルが設置されていないことがあるだけでなく、自室に光ケーブルを引くことができない場合もあります。
特に築古のマンションでは、マンションの入り口まで光ケーブルが来ていても、自室まで引くことができないケースが存在します。場合によっては、隣の部屋には光ケーブルが引かれているのに、自分の部屋には引けないということもあるのです。
このような状況では、光ケーブル以外の手段でインターネット回線を確保する必要があります。マンションの入り口まで光ケーブルが来ている場合でも、自室までの工事の可否は実際に工事を行ってみないと分からないため、売り手が把握している場合は良いですが、そうでなければ購入前に確認することが難しいこともあります。
光ケーブルによるインターネット環境が必要な方は、光ケーブルが確認できていない中古マンションの購入は避けるべきかもしれません。
まとめ
ここまで、築古の中古マンションに関するいくつかの問題点を取り上げてまいりました。
これらの問題点が気にならなかったり、解決可能であれば、築古の中古マンションは非常に良い選択肢となるでしょう。しかし、どこかしら納得がいかない点があるのなら、たとえ価格がリーズナブルであっても、高額な買い物であることを忘れてはいけません。
その結果、後悔することになってしまうでしょう。しっかりと検討を重ね、素敵な住居を見つけられることを願っています！
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