あなたは普段、どのように音楽と出会っていますか?
ラジオやテレビ、そしてYouTubeのおすすめ欄を通じて、意識せずとも似た趣向の音楽を選んで楽しんでいる方が大半ではないでしょうか。
しかし、現在の時代は多様性に満ちています。
さまざまなアーティストたちが次々と独自のスタイルを打ち出し、今の日本の音楽シーンはまるでガラパゴスのように独特な進化を遂げていると言えるでしょう。
インターネット上ではアマチュアアーティストがその才能を開花させ、デビューを果たすことも夢ではない時代となりました。
もしかしたら、隣にいる誰かが作った曲を聴いているかもしれないという可能性も、決して無視できるものではありません。
そんな現代だからこそ、新しい感性に触れることはとても素晴らしい体験となるのではないでしょうか?
1インターネット発アーティストとは。
インターネット発アーティストとは、主にインターネットを通じて活動しているアーティストのことを指します。
メジャーな音楽シーンでは、マーケットを意識した曲作りや音楽スタイルが求められますが、インターネットでの活動にはそういった制約が少ないのが特徴です。
この自由な環境の中で、アーティストは自分の感性を存分に表現することができ、ジャンルごとにユニークな個性が際立っています。
また、ボカロと呼ばれる人工音声で歌う楽曲も存在し、TikTokやYouTube、ニコニコ動画などの動画プラットフォームで多く発表されています。
2.インターネット発アーティスト例
①米津玄師(ハチP)
ボカロプロデューサーとして知られるハチ、つまり米津玄師は2009年に活動を開始しました。
彼は映像作家としての才能も持ち合わせており、自らの楽曲のプロモーションビデオを手がけることでも知られています。
ハチ名義で発表された楽曲は、ストーリー性豊かで、歌詞には哲学的な要素が散りばめられており、多くの読書家を魅了するほどの語彙力が光ります。
そのため、10代の若者が書いたとは思えないほどの難解さがあり、彼の曲に対する考察が掲示板で活発に行われることも多かったです。
彼の知識の深さは、当時の楽曲を聴けば一目瞭然です。
音楽スタイルは非常に多様で、『結んで開いて羅刹と骸』や『リンネ』のように、深い闇を感じさせる狂気を孕んだ曲が代表的です。
一方で、『Persona Alice』や『THE WORLD END AUMBRELLA』のように、美しさと儚さを兼ね備えた楽曲も存在し、後期には『砂の惑星』や『パンダヒーロー』など、今の彼のスタイルに通じるROCK調の激しい曲も多く見られます。
これらの楽曲は、彼の初の全編ボーカルのオリジナルアルバム『diorama』へとつながっていきました。
その後、彼はドラマのタイアップ曲『Lemon』や『感電』、アニメの主題歌『ピースサイン』や『海の幽霊』など、あなたも耳にしたことがある多くのヒット作を次々と生み出しました。
②.YOASOBI
ボカロPとして活動していたayaseがコンポーザーを務め、ヴォーカルにはアコースティックセッションユニット『そぷらにか』に参加していたikura(幾田りら)が加わったことで、YOASOBIというユニットが誕生しました。このプロジェクトは、彼らが『monogatary.com』に投稿された小説を音楽にすることを目的として始まりました。
デビューシングル『夜に駆ける』は、星野舞夜さんの小説『タナトスの誘惑』を基にした楽曲で、軽快でポップなメロディーと、すれ違う恋人が死へ向かう切ない物語の歌詞が見事に融合し、多くのリスナーに愛されることとなりました。
その後も、さまざまな楽曲を手がけていますが、全ての楽曲には原作があり、それを音楽化したものとなっています。
3.お金がかかってしまう理由やデメリット
他のインターネット発アーティストたちと同様に、アマチュア時代にリリースされたCDやグッズが入手困難な状況にあります。
それらは転売され、元の価格の数倍に跳ね上がってしまうことも珍しくありません。
さらに、アマチュア時代に制作された作品の中には、アーティスト自身が削除してしまったものも多く、聴くためには転載に頼るしかない場合もあり、探すのが非常に難しいという現実があります。
それでも、自分が好きになったものについては、どうしても気になってしまうものです。
そのため、自分の好きなアーティストを見つけた際は、早めに情報収集を行い、応援することを強くお勧めします。
まとめ
インターネットの普及により、多くの若いクリエイターたちが新たな感性を持って作品を創り出し、それを世の中に発表する機会が増えているという現実があります。
このような状況は、暗いニュースが飛び交う世の中の中で、確かに希望の一端を示すものではないでしょうか。
しかし、アーティストたちは自らの作品に共感し、感動してくれるファンを求めるために長い時間をかけて努力しているのに対し、無関心は創作意欲を奪う最も厳しい行為ではないでしょうか。
YouTubeなどのプラットフォームでは、再生回数に応じて報酬が得られるため、今の時代において私たちはクリエイティブな活動をしている方々に小さな支援を送ることができます。
未来のカルチャーを支えるのは、昭和や平成の時代の文化人だけではなく、老若男女を問わず一般市民である私たちなのです。
気になるジャンルやアーティスト、どんなキーワードでも構いませんので、ぜひ調べてみることをお勧めします。
コメント