様々なシーンで喜ばれるお花の贈り物。色とりどりの花束は、心を癒し、その場を明るく華やかに演出してくれます。しかしながら、贈る場面に応じて避けるべき花の種類が存在することを知っておくことが重要です。
花言葉やその花が持つ特性から、贈る相手に喜んでもらうために、避けた方が良いお花もいくつかあるのです。贈り物で心から喜んでもらうために、シチュエーションごとにタブーとなるお花の種類について詳しくお伝えします。
お見舞い・退院祝い
病気や怪我で入院している方や、退院された方にお花を贈る際に最も避けるべきなのは、鉢植えの花です。鉢植えは土に根付いているため、病気や怪我が長引くというイメージを与えてしまい、“寝付く”という言葉を連想させることから、あまり良い印象を与えません。
さらに、切り花であっても、白や薄紫などの色合いはお悔やみを連想させるため避けた方が無難です。お見舞いや退院祝いには、気持ちを明るくするような黄色やオレンジといったビタミンカラーや、ピンク系の花を選ぶと良いでしょう。
結婚祝い
結婚祝いの際によく選ばれる花の一つがバラですが、特に黄色いバラには“嫉妬”という花言葉があるため、結婚祝いには適していません。同様に、赤いシクラメンも“嫉妬”を意味するため、結婚のお祝いの場には避けた方が良いでしょう。これらの花を贈ることで、相手が心から結婚を喜んでいないというメッセージを伝えることになりかねません。
また、アジサイはその色が変化することから“移り気”という花言葉があり、結婚祝いには縁起が悪いとされていますので、こちらも注意が必要です。
新築祝い
新しいお家にふさわしいお花を贈りたいと考える方も多いでしょうが、特に“赤い花”は新築祝いには避けるべきです。赤は炎を連想させ、火事をイメージさせるため、縁起が悪いとされています。
母の日
母の日には、赤いカーネーションが定番ですが、最近ではお母さんのイメージに合わせた色とりどりのカーネーションを送る人も増えています。しかし、白いカーネーションは絶対に避けるべきです。この花は“亡くなった母”に贈る花とされているため、非常に不適切です。
さらに、黄色いカーネーションには“軽蔑”という花言葉があるため、日頃の感謝を表す母の日の贈り物としては相応しくありません。たとえ「お義母さんに似合いそう」と思って贈っても、相手に嫌味として受け取られる可能性があるため注意が必要です。
送別会
職場での送別会にお花を贈るのは一般的なシーンです。相手の新しい門出を祝う気持ちで贈る方が多いと思いますが、基本的にはどんなお花でも良いとされています。ただし、トゲのあるバラは避けるべきです。これは、相手との大切な縁を傷つけるという意味があるためです。
また、実際に相手に怪我をさせてしまう可能性もあるので注意が必要です。現在、多くの花屋ではトゲを取って販売していますが、心配な場合は「バラの棘を取ってもらえますか」と尋ねてみると安心です。このようなシーンでは、ブリザーブドフラワーのように思い出として長く残るものもおすすめです。
基本的にNGな花
贈り物としてふさわしくない花がいくつか存在します。
菊
菊は日本の国花であり、伝統的にはおめでたい場面でも用いられてきました。たとえば、競馬では毎年菊花賞が行われたり、菊の花の振袖も存在します。このように決して縁起が悪いものではありませんが、仏事に使われる花というイメージが強いため、現在では一般的な贈り物としては避けられています。
椿
椿は、花が散るときにぽろっと落ちてしまう様子が、人の首が落ちる様子に似ているため、縁起が悪いとされています。また、日本の一部地域では“死者に手向ける花”とされることもあるため、贈り物としては一般的には選ばれません。
花を贈るときのマナー
花の種類や色だけでなく、贈り方にも相手を不快にさせないための最低限のマナーを知っておくことが大切です。たとえば、花の本数は避けるべき縁起の悪い数字である4本、9本、13本を選ばないようにしましょう。これは購入時に花屋で確認しておくことが必要です。
また、大きすぎる花束は、相手にとって負担になる場合があります。相手への気持ちを花の数で表現したいと思う方もいるかもしれませんが、相手がどのように持って帰るかを考慮したサイズを選ぶことが重要です。たとえば、電車や徒歩で持ち帰る場合、非常に重荷になることがあります。
車で持ち帰った場合でも、狭いアパートの中でスペースを取ってしまうことも考えられますので、大きすぎる花束はおすすめできません。適度なサイズの花束を選ぶことが望ましいです。
まとめ
相手に喜んでもらえることを想像しながら花を選ぶのは、心が躍る楽しい作業です。しかし、選び方次第では、相手を不快な気持ちにさせてしまう可能性も秘めています。普段は花言葉を意識することはあまりないかもしれませんが、贈り物の場合にはしっかりと調査しておくことが大切です。
贈るシチュエーションに応じたタブーを把握し、最適なお花を用意して、心から喜んでもらえる贈り物となるよう努めましょう。
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