購入を避けるべきダイエット茶(健康茶)
「ダイエット」という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。実際に試したことがある方も少なくないと思います。
しかし、ダイエットの方法はさまざまなものが存在しており、どの方法が本当に効果的なのか判断に迷うことも多いのではないでしょうか。そんな中で、今回はダイエット茶(健康茶)について詳しくお話ししたいと思います。
ダイエット茶と聞いて、皆さんはどのようなお茶を思い浮かべるでしょうか? プーアール茶、杜仲茶、黒ウーロン茶、ごぼう茶、ルイボスティー、ブレンド茶など、様々な種類が存在します。
これらのお茶は、ダイエット効果があるとされています。しかし、一般的に考えて、「お茶だけを飲むことでダイエットが成功するはずがない」と感じている方がほとんどではないでしょうか。
その通りです! お茶だけでダイエットが成し遂げられるという考えは誤りです。どんなダイエット方法にも、努力や苦労が伴います。ただ飲むだけで体重が減るというのは、まさに夢物語に過ぎません。ダイエット茶を飲むからといって、何を食べても良いわけではなく、カロリーを気にせずに好きなものを食べて良いということでもないのです。
そのため、ダイエット茶はあくまで補助的な存在として捉えていただければと思います。ダイエットをサポートしてくれるお茶を紹介することができればと思っていますが、各お茶にはそれぞれの特性があり、自分に合ったものを見つけることが重要です。
味の好みや性格、体質を理解せずに適当に選んでしまうと、ダイエットの手助けどころか、逆に体調を崩す危険性があるのです。では、ダイエット茶として知られているいくつかの種類をピックアップし、その特性を理解していきましょう。
記載されている内容以外にも、茶葉には多くの効能がありますが、今回は特にダイエットに関連する効能を中心に記載していきます。
ダイエット茶の種類
プーアール茶
プーアール茶には、没食子酸や重合型カテキンなどの成分が含まれており、これらが脂肪を体外に排出する効能を持っています。さらに、腸内での脂肪や糖の吸収を妨げる働きもあり、コレステロールや内臓脂肪にも良い影響を与えることがわかっています。このため、プーアール茶は食事中または食後に摂取するのが効果的です。
杜仲茶
杜仲茶に含まれるアスペルロシドという成分は、胆汁酸の分泌を促進し、肝臓や筋肉、褐色脂肪細胞に直接働きかけて代謝を向上させるとされています。その結果、基礎代謝がアップします。さらに、ゲニポシド酸が中性脂肪やコレステロールの分解を助け、脂質の増加を防ぎます。アディポネクチンという成分も含まれており、代謝を促し脂肪を燃焼させ、体内の脂肪を減少させる効果が期待されています。したがって、杜仲茶も食事中または食後に飲むのが最も効果的です。
黒ウーロン茶
黒ウーロン茶に含まれるウーロン茶重合ポリフェノールは、体内での脂肪吸収を抑制し、余分な脂肪を体外に排出する作用を持っています。このため、黒ウーロン茶は食事中に飲むことが最も効果的です。
ごぼう茶
ごぼう茶に含まれるサポニンは、腸内で吸収された糖が脂肪と結びつくのを防ぐ作用を持ち、脂肪の蓄積を抑えることに寄与します。また、イヌリンが糖の吸収を抑え、腸内細菌によって分解されることで腸内環境を整え、余分な水分の排出を助けます。ごぼう茶は特に飲む時間に制約はなく、いつでも飲むことが可能です。
ルイボスティ
ルイボスティには豊富なミネラルが含まれており、その中でもマグネシウムには代謝を促進する効果があります。飲むタイミングとしては、起床後や食事中、就寝前が効果的とされていますが、特に食事中に飲むことで、ダイエット目的においては効果が期待されます。
ブレンド茶
ブレンド茶にはさまざまな成分が含まれており、その配合によって効能も異なります。多くの効果が期待できる一方で、注意点もいくつかあります。
特に留意すべきはキャンドルブッシュ!
「ハネセンナ」や「キャンドルブッシュ」と呼ばれるこの植物は、古くから美容やダイエットの目的で使用されてきたため、ダイエットに興味がある方なら一度は聞いたことがあるかもしれません。この植物は、そのまま食べることは少なく、主にお茶として利用されています。
その効能としては、便秘の改善や肌荒れ防止、アンチエイジングなど、多くの良い効果が期待されています。しかし一方で、キャンドルブッシュを含む健康茶に関しては、過度の効果に関する相談が国民生活センターに寄せられています。
実は、キャンドルブッシュの葉、茎、花には「センノシド」という成分が含まれており、これが下剤作用を持つのです。センノシドは、医療界では便秘と診断された高齢者や女性に処方される薬の成分として用いられています。
センノシドは下剤の役割を果たすため、長期間使用していると、薬と同様に効き目が減少してしまいます。効き目が減少したからといって量を増やすと、徐々に薬がなければ排便できなくなる「下剤依存症」に陥るリスクが高まります。この成分は、大腸を刺激して蠕動運動を活性化させ、結果的に便を肛門へ押し出す働きをします。しかし、その刺激に慣れてしまうと耐性ができ、大腸が反応しなくなる事態が生じる可能性があります。
このため、長期間の使用は避けるべきです。強力な作用があり、また上記のようなリスクがあるため、国民生活センターはキャンドルブッシュを含むダイエット茶に対して「一日の摂取目安量を守り、一度に大量に摂取することを避けることが重要」との声明を発表しています。このキャンドルブッシュと同様に、センノシドを含むセンナという植物も、果実や小葉、葉柄などは「医薬品」として扱われており、長期間の服用には危険性があることが示唆されています。
まとめ
現在、ダイエット茶や健康茶と称するお茶が増えてきていますが、簡単にダイエット効果があると謳われている商品に飛びつくのは少し待っていただき、成分をしっかり確認してから選ぶことが大切です。また、仮にデメリットを考慮しつつキャンドルブッシュなどのセンノシドを含むダイエット茶を選ぶ場合でも、使用期間について慎重に考える必要があります。
最後に一言
キャンドルブッシュに含まれる危険性についてお話ししましたが、正しく使用すればダイエットの強力な味方となることもあります。使用者が無知であることが恐怖心を引き起こし、逆に悪者扱いされることもありますので、しっかりとした知識を身に付けることが非常に重要です。
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