手指の消毒において欠かせない存在となるのがアルコールです。アルコールとは、化学的には炭化水素にヒドロキシ基(-OH)が置き換わった物質全般を指す総称であり、そのため、多くの種類のアルコールが存在しています。少し難しい説明になってしまいましたが、要するに「アルコール」と呼ばれるものは非常に多様であるということを理解していただければと思います。
その中には、口にすると失明を引き起こすような、人体にとって有害な成分も含まれているものがあります。アルコール配合と記載された商品を購入する際には、どのような成分が含まれているのか特に注意を払う必要があります。今回の記事では、注意すべき点や避けるべき商品について詳しくご紹介いたします。
まず、アルコールとは?
アルコールとは、冒頭でも触れましたが、炭素原子にヒドロキシ基(-OH)が結合した化合物の総称です。つまり、アルコールの種類は非常に多岐にわたります。
その中でも特に有名なのは、メタノールとエタノールの2つです。この2つの名前を知っておくことで、商品選びの際には十分な知識があると言えるでしょう。
なぜこの2つが重要かというと、メタノールは家庭用の液体燃料としても販売されており、手に入れやすい一方で、誤って飲用してしまうと失明を引き起こすなど、人体に深刻な影響を及ぼす可能性があるからです。実際に、メタノールを含む商品が「アルコール添加」として販売されていることもあるため、注意が必要です。次に、アルコール添加商品について詳しく解説していきます。
アルコール添加商品の種類
アルコール添加ウェットティッシュ
現在では、ダイソーなどの100円ショップでも手に入るアルコール添加のウェットティッシュですが、選ぶ際にはいくつかのポイントに留意する必要があります。まず、使用されているアルコールの種類を確認することが重要です。
過去には、アルコールと称してメタノールを含む商品が販売されていたという事例もあります。繰り返しになりますが、メタノールは非常に有害な物質です。
このようなメタノールが添加されたウェットティッシュで手を拭いた後に食べ物を口にすることは、決して推奨される行為ではありません。したがって、アルコールが配合されていると記載されているウェットティッシュを購入する際には、ぜひ成分表示を確認してください。後ろの成分表を見ましょう。
ジェルタイプアルコール
こちらも重要なポイントとして、アルコールの成分確認は絶対に欠かせません。手指の消毒に使用される商品にメタノールが含まれている場合、非常に危険ですので、最初に確認すべき事項として覚えておきましょう。また、ジェルタイプのアルコールには、塩化ベンザルコニウムが主成分となっているものもあり、アルコールがその添加物となっていることがあります。塩化ベンザルコニウムは新型コロナウイルスには効果があるものの、ノロウイルスやインフルエンザウイルスには効果がないことが確認されています。
アルコールとしか書いていない商品
これは、これまでの内容を読んでいればわかることですが、裏の成分表示に「アルコール」とだけ記載されている場合、それがエタノールかメタノールかは分からないということです。再三にわたって述べていますが、メタノールは人体に有害ですので、成分が不明な商品は購入を避けるべきです。商品選びには十分に注意を払いましょう。また、エタノールが含まれていることだけでは安心できません。次に、エタノールの配合量について詳しく説明します。
エタノールの適切な濃度
これまでの内容を総括すると、メタノールは人体に有害であることから、エタノールが使用されている商品を選ぶべきだと述べてきました。しかし、エタノールが含まれているからといって安心できるわけではなく、エタノールの濃度も非常に重要な要素となります。
一般的には、適切なエタノールの濃度は70%から95%とされています。しかし、スーパーや雑貨店で販売されているアルコール消毒商品には、30%であったり、濃度が不明な商品も存在します。したがって、エタノールの濃度も商品選びにおいて非常に大切なポイントとなります。成分表示をしっかり確認することは、安全性を確保するために欠かせません。
最後に大切なこと
これまで、アルコール添加商品を選ぶ際に重要なポイントや注意事項について説明してきました。商品に関する成分については、消費者庁の調査によって、表示されているエタノールの配合濃度が実際には大きく下回ることがあることが明らかになっています。したがって、商品を選ぶ際には、必ず厚生労働大臣認証の商品や医薬部外品、もしくは医薬品と表示されている商品を選ぶことが、安全な商品を見つけるための重要な基準となります。
また、手指からの雑菌やウイルスを効果的に除去する一番の方法は、流水と石鹸を使った手洗いであると言われています。
今後もインフルエンザや新型ウイルス、さらにはコロナウイルスとも向き合っていく必要があります。外出先で消毒グッズが役立つ場面も多いですが、手洗いが最も効果的な予防策であることを常に忘れないようにしましょう。
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