エンジンはディーゼルでなくても良い
貨物車両としてのワンボックスバンは、その荷室が完全にフラットになるため、車中泊やキャンプ、さらには釣りなどのアウトドア活動において非常に便利な選択肢となります。
私自身も、オートバイをハイエースに積み込みサーキットまで運び、オートバイでレースに参加していた際にこの車両が大いに役立ちました。快適に過ごせる空間があり、荷物もたっぷり積むことができるため、まさに理想的な車です。
とはいえ、ハイエースにはさまざまなオプションがあり、車体のサイズやエンジンの種類を選ぶことが可能です。軽油の価格がガソリンに比べて安価であるという理由だけで、私はディーゼルエンジンを選択しました。しかし、夏の夜にサーキットで泊まる際には、暑さをしのぐためにエンジンをかけてエアコンを使わなければなりませんでした。その際、車外に出るとディーゼルエンジンのアイドリング音が非常に大きく響き、一晩中エンジンをかけていることに対して、どこか罪悪感を抱くことになりました。周囲のサーキットに宿泊している人たちに迷惑をかけてしまったのではないかと心配になることもありました。
ですので、もし新たに購入を考えているのであれば、ガソリンエンジン搭載のワンボックスバンを強くお勧めします。
ディーゼル車は車両価格が高い
確かにガソリンよりも軽油の方が安価ですが、車両価格に関してはディーゼルエンジンの方が高く設定されていることが多いです。単に数万円の差ではなく、場合によっては30万円や40万円といった大きな価格差が生じることもあります。
それだけの価格差を回収するためには、どれくらいの走行距離が必要になるのでしょうか。一般的には、10万キロ以上走行しないとその差を埋めることができないと考える人も少なくありません。このことを考慮すると、軽油を使うディーゼルエンジンにはあまりメリットがないと感じました。
ディーゼルエンジンを選択する際のメリットは、以下の2点に限られると思います。
- 常に重い荷物を運ぶ必要があり、トルクが求められる場合
- 長距離を頻繁に走行する必要がある場合
これらの条件に該当しない限り、ディーゼルエンジンを選ぶ理由は少ないでしょう。
低回転からトルクがしっかりとあるディーゼルエンジンは、重い荷物を運ぶ際に車体を容易に前に押し出すことができます。ガソリンエンジンのように高回転を必要としないため、運転が楽になるという利点もあります。
しかし、一般的な家庭での使用において、ワンボックスバンで長距離を頻繁に走ることはあまりないのではないでしょうか。そのため、燃料費の差で車両価格の差を元通りにすることは難しいと言えます。
代表的なワンボックスバン(貨物車)
さて、ワンボックスバンにはどのような車両が存在するのでしょうか。
代表的な車両は以下の通りです。
- トヨタ ハイエース
- 日産 キャラバン
- ホンダ N-VAN(軽貨物)
- スズキ エブリイ(軽貨物)
- ダイハツ ハイゼットカーゴ(軽貨物)
・トヨタ ハイエース
私自身も過去にこの車両を購入したことがあります。私が選んだのは、ハイエースの中でも特に大きなスーパーロング・ハイルーフ・ワイドボディのディーゼルエンジンモデルです。
- 車体のサイズ:標準ボディ、ワイド、ロング、スーパーロングの4種類から選べます。
- ルーフの高さ:標準ルーフ、ミドルルーフ、ハイルーフの3つの選択肢があります。
- エンジン:ガソリンまたはディーゼルの選択が可能です。
- 駆動形式:2WDまたは4WDから選べます。
- 新車価格:239.2万円から419.1万円の幅があります。
- 車検:1年ごとに必要です。
・日産 キャラバン
ハイエースに似たサイズ感で、ハイエースのライバルとも言える車両です。内装はハイエースよりも若干おしゃれな印象があります。
- 車体のサイズ:標準ボディ、スーパーロング、ワイドバンの3種類があります。
- ルーフの高さ:標準ルーフまたはハイルーフから選択可能です。
- エンジン:ガソリンまたはディーゼルの選択肢があります。
- 駆動形式:2WDまたは4WDから選べます。
- 新車価格:241.2万円から427.6万円の幅です。
- 車検:1年ごとに必要です。
・ホンダ N-VAN
ホンダの軽四貨物車であり、おしゃれな外観が特徴的です。助手席が床面と同じ高さまで折りたためるため、長い荷物も積むことが可能です。車中泊の際には、大人の男性一人が寝るスペースも十分に確保できます。
- 車体のサイズ:標準ボディのみです。
- ルーフの高さ:ロールーフまたはハイルーフから選択できます。
- エンジン:ガソリンエンジンです。
- 駆動形式:2WDまたは4WDが選べます。
- 新車価格:127.6万円から187.2万円の範囲です。
- 車検:2年ごとに必要です。
・スズキ エブリイ
スズキの軽四貨物車で、スタイリッシュなデザインが特長です。多くの荷物を積むことができ、車中泊に利用する人も多いです。カーゴスペースは、大人の男性が寝転がるのにちょうど良い広さがあります。
- 車体のサイズ:標準ボディです。
- ルーフの高さ:標準ルーフまたはハイルーフから選択可能です。
- エンジン:ガソリンエンジンです。
- 駆動形式:2WDまたは4WDが選べます。
- 新車価格:97.1万円から154.0万円の範囲です。
- 車検:2年ごとに必要です。
・ダイハツ ハイゼットカーゴ
ダイハツの軽四貨物車で、2021年12月にフルモデルチェンジを行い、さらに洗練されたデザインになっています。
- 車体のサイズ:標準ボディです。
- ルーフの高さ:標準ルーフまたはハイルーフから選べます。
- エンジン:ガソリンエンジンです。
- 駆動形式:2WDまたは4WDが選べます。
- 新車価格:104.5万円から187.2万円の範囲です。
- 車検:2年ごとに必要です。
このように、さまざまな選択肢が存在します。
車中泊やキャンプには、ワゴンよりバンがおすすめ
軽四貨物バンに関しては、スズキやダイハツが他メーカーにOEM供給を行っており、異なる名称で販売されています。
乗用タイプのワンボックスワゴンも存在しますが、シートアレンジによってフルフラットにできるものの、シート自体に凹凸があり、完全にフラットになるわけではありません。そのため、車中泊やキャンプにおいては、快適に眠ることが難しいと感じることがあるかもしれません。
その点、バンタイプの車両では、折りたたんだシートが床面と同一になるため、真っ平なスペースが確保でき、寝袋や車中泊用の布団を敷いて安心して眠ることができるでしょう。
バンタイプの車両は、オシャレ度ではワゴンタイプに劣るかもしれませんが、荷室の機能性においてはバンタイプが明らかに優れています。
ディーゼルエンジンがお得とは言えない
軽油が安いからと言って、必ずしもディーゼルエンジンの車が経済的にお得であるとは限りません。走行距離や使用頻度が少ない場合には、ガソリンのワンボックスバンで十分に事足りるでしょう。
また、ハイエースなどの乗用車サイズのワンボックスバンは、一人で車中泊やキャンプに行く際には車体サイズが大きく感じることがあるかもしれません。そういった場合には、軽四のバン(貨物車)を選ぶことを検討してみると良いでしょう。特に山奥のキャンプ場などでは、道幅が狭いこともあり、軽四のバンが非常に役立つこともあるでしょう。
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